軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

中国抑止のほころび

 今日は「敬老の日」、例年9月15日と決っていたのに、このごろは連休のための“埋め合わせ祝日”になってしまった。朝7時、連続素振り100本を終えて国旗を掲揚しつつ現役時代を思い出した。

 私はなぜか若い頃から、この日だけはスクランブル勤務から外され、必ず休暇がもらえたものである。築城基地時代には、新婚半年で殉職した重松1尉が「じいちゃん!ゆっくり休んで!」とからかいながら言ったものだ。いつに「へアースタイル」から来ていたらしいのだが・・・

 百里基地のファントム飛行隊長時代も、部下が必ずスクランブル勤務から外してくれて「ゆっくりお休みを!」と“笑顔”で休ませてくれたものであった・・・。


「対等な関係に懸念も」「どうなる日米同盟」と一面トップに掲げた産経新聞を見て、「対等」の意味も分からず、中国の「台頭」を支援している方々に忠告しても無駄!と思いつつ、下の写真を見て思わず頬が緩んだ。

 これは「大きく泣いて大きく育って」というタイトルの、栃木県鹿沼市の生子(いきこ)神社の伝統行事「泣き相撲」の写真である。
 記事には、生後半年から3歳ほどの子供達約1000人が集まり、力士に抱えられて東西から次々に土俵に上がって元気な泣き声を競ったとある。この子らの表情がなんともかわいらしい。親が子の無事な成長を祈るのはどこでも同じだが、20年後、このあどけない表情をした子らが成人した頃の日本がどうなっているか、ハタと考えさせられた。


 今日の「正論」欄には、桜井よしこ女史が「日本の衰退を決定付けないか」と民主党政権の先行きに警鐘を鳴らしている。「日米対等」を強調するあまり、米国に注文をつけることが先行し、その結果「米中の緊密化に正当性を与えようとしている」というのだが同感である。

 9面の「海外の目」欄には、「中国への抑止のほころび」と題して、元米国務省中国分析部長のジョン・タシック氏が、「単に日米関係への影響を超えて、アジア全体の政治情勢の危機の始まりを示唆している」とし、「オバマ政権が最新鋭戦闘機のF22を日本には売らないと決めたことも、あるいは麻生前首相の訪米の際に本格的な首脳会談をしなかったことも、その例証だ」と書いている。

 F22導入問題は、単なるF-X問題ではなく、日米安保の信頼性を占う事例だ、としてきた私としては、麻生首相が「軽く」あしらわれた時点で既に事は決っていると考えてきたが、それでも防衛大臣が次々に変わるたびに「お百度参り」をしていて滑稽だった。

 これを見ていて自民党首脳はいつまで自己に都合の良い「希望的観測」でしか政治をしないのか、と思ったからである。外交には一癖もフタ癖もある相手があることを忘れている。

 タシック氏は中国は「軍事力を陰に陽に利用しようとしている」と書いたが、日本の政治家で「軍事力」に理解を示しているものは皆無に近い。その典型的な事例が、田母神航空幕僚長更迭事例であった。驚いたことに今年の『防衛白書』には、防衛年表の2008・10・31の日付で「田母神空幕長の論文発表が判明・空幕長の職を解任」とヒトゴトのように書いている。これこそが「政・官」一致して『制服自衛官』を蔑視している証拠であろう。こんな“制服自衛官差別”をした、最高指揮官たる自覚なき麻生政権が倒れたのは天罰覿面だといえるが、こんな軍事音痴が、軍事大国が居並ぶ土俵上に上がっても、話が通じるワケがない。「SSー20って何?」程度で小ばかにされるだけである。 これこそ「国際関係」という土俵上での軍事に無知蒙昧な大人たちの「泣き相撲」であった。


「残された展望は日本が中国の意志のままに従い、アジアで中国の覇権が確立されていく、という構図だろう」とタシック氏は締めくくったが、64年前までは、岡村寧次大将率いる100万の支那派遣軍が大陸を押さえていた・・・
 終戦後、国共内戦に負けた蒋介石は台湾に逃げ込み、毛沢東が大陸を支配した。それも日本軍の武器弾薬を活用し、林飛行隊に空軍まで建設してもらって・・・。そんな過去が悔しくて、いつまでも恨み言を述べているに過ぎないのだが、肝心のわが国のほうがさらに劣化しているから致し方ない。歴史の真実から目を背けているからである。
 そんな過去の図式を見ていくと、重慶蒋介石軍)に強大な支援を続けて日本と戦わせたルーズベルト時代の再来か?と危機感を覚える。民主党オバマ民主党ルーズベルト・・・と重なって見えるのである。

 軍国主義だ何だと自らの国の戦前の体制を非難しても、当時は少なくとも今よりはるかに政治家たちに教養もあったし骨があった。


 今は・・・「副大臣やだやだ!」社民大混乱。「民主あきれ顔《付き合いきれない・・・》」(4面)と、社民党辻元清美議員が、国土交通省副大臣就任をめぐって「駄々をこねる」ような有様。なんとも早国会議員の幼稚化、劣化はきわまった。最も、この政党は有権者の支持は僅かに4・27%に過ぎない泡沫政党である。
「誰もあなた達に期待しているわけじゃない」と「戯言戯画」欄に篠原知存氏は書いたが、鳩山首相はその責任をしっかり感じて欲しいと思う。
 最も彼女は「秘書給与流用事件で有罪喰らって執行猶予期間中なのに、『民主推薦』の“徳政令”で当選しちゃった辻元清美さんのことです。忘れちゃいけません」と篠原氏は書いているが、という事は彼女はれっきとした“罪人?”ではないか。国会が劣化する筈である。そのうちに国会は、『うそつき』と『詐欺師』それに『罪人』のたまり場になるのかもしれない。(すでになっている!というご指摘もあるが)
 教養ある文化人を、恨みと妬みで虐殺していったカンボジアのポル・ポト政権を思い出すが、“民主主義態勢下”にあっては、有権者の一票が「如何に重いか」、いずれ身に降りかかってから自覚する時が来るのだろう。これじゃ、泣き相撲で愛らしい表情をしていた赤ちゃん達の未来は暗いとしかいいようがない・・・

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