『国というものが良く分からない』と発言なさるお方が、2669年の伝統を誇る日本国の総理大臣だという事は悲劇である。『裕福なご家庭に育った』方だという事は、別にとがめるほどのものではないが、『国』が分からないのに“国を率いる”という事は苦痛に感じられるのではないか?即刻おやめいただきたいのだが、どうも彼は『育ちが良い』お方に弱い日本人好みの『看板』に過ぎないのだという。
政治に詳しい友人によると、民主党を取り仕切る小沢氏の狙いは来年夏の選挙で勝って一党独裁体制を築くことにあり、それまで(多分2月?)のつなぎで、次は菅副総理を担ごうとしているから、今後の民主党の動きは注意が必要だ、というのだが、この写真を見ると何と無く頷ける。どんどん『個人献金問題』が出てきているのも気にかかる・・・
週刊文春12月3日号から
今朝の産経は、77事業について“仕分け”が終わったことを報じているが、財政効果1・8兆円、「国民に予算というものが見える形になった」と鳩山首相は自画自賛したという。
産経は、「官僚意識改革・予算透明に」なった点に◎、「安保・国家戦略は馴染まず」として△をつけている。
今まで専門官庁とのやり取りに苦労していた「財務省」が、素人集団のバックについて“協力”したのだから、いわば「財務省主導」の仕分け作業だったのである。
防衛予算については、「戦略的な観点を欠く判断が相次ぎ、内外から批判を浴びた」というが、以前にもれっきとした主計官が「災害派遣は自衛隊の任務ではない」として削減しようとしたように、担当官でさえも素人じみた判断をするから「説得」には苦労したものである。
例えばF−15戦闘機導入に当たって、その性能から周辺情勢の軍事的脅威見積もりまでを説明するのだが、そのほとんどは、当時のソ連に関する「極秘事項」から導き出されたものであり、「根拠を示せ」といわれると、機密文書が筒抜けにならざるを得ない。情報資料のほとんどは、日本独自というよりも、同盟国の資料による部分も多いから、これが洩れると日米同盟が破綻しかねない。ぎりぎりの説明で主査や主計官は理解してくれるのだが、それも互に『守秘義務』がある公務員だから信頼出来るのである。
ところが今回はそんな義務など一切ない「民間人」が入っている上に、会場には不特定多数の傍聴者がいることを、国民はどう感じたことであろうか?
「自衛隊員の制服費について仕分け人たちは、『外国製も含め柔軟な購買を』として『予算縮減』の判定を下した」そうだが、これに対して北沢防衛大臣が「その国と危険な状態になったら、おんぼろ服でことに臨むのか」と不快感を示したという。PAC3の拡充費を含む防衛装備品予算では、枝野統括役が『事業仕分けに馴染まない』と匙を投げたらしい。
「『劇場型政治』に私自身が加担し、若干不本意な面もある。劇場で評価されやすい中身に政治が走ったら間違った方向に行く」と語ったというが、そのとおりである。
確かに産経が評価したように、今までの族議員といわれる「実力者?」が群がった「な〜な〜」型予算配分から、「岡目八目型」予算編成プロセスに変わり、今までマンネリ化していた官僚たちの一部には目を覚まされたものもいただろうが、枝野議員が言ったように、国家機密に直結する安保・防衛予算については、更に慎重な検討が必要である。
台湾出身の蓮舫議員は良いお勉強をしただろうが、その勢いで訪中時にでも「中華人民共和国」の軍事予算に切り込んで欲しいものであるがいかがだろうか?
何はともあれ、「長期的な国家戦略や国民の生命に直接かかわる重大案件を的確に仕分けられるのかという課題も残した」という産経の指摘を検討して欲しいと思う。
民主党の票稼ぎのための『劇場型選挙活動』に、国家安全保障政策までが左右されたのではたまらない。
ついでに言っておくが、自衛官の増員計画を認めなかったようだが、既に海上自衛隊の艦艇運用に支障を来たしている。現役は一切黙して語らず『シビリアンの命のまま』にやりくりしているが、それにも限界がある。
海外任務が増加している最中、国内の人員手当てはお寒い限り、陸自の後輩が、今や一人3役だと自嘲していたのは数年前である。
人員、予算、資材を極限された武装集団が『これじゃお役に立てない』と感じた時、「与えられたものだけで適当にお茶を濁すか」「職場放棄するのか」?。今までは『創意工夫』と『現場の犠牲』で任務を達成してきたのだが、今後彼らはこんな次元の低い「劇場型」のサンプルに供される安保・防衛活動をどう受け止めるか?
「ことに臨んでは身の危険を顧みず」国家に尽くす集団に対する侮辱以外の何物でもあるまい。
それとも次回は、いっそ戦闘部隊も『部外委託』か『傭兵』にするほうが“安上がり”だとして、どんどん締め付ける気か?
国家戦略局を創設した鳩山首相に、老婆心ながら次の言葉をお伝えしておきたい。
戦略とは「政策によって定められた諸目的を達成するための軍事力使用の術(ボーフル)」であり、言い換えれば『政策によって決められた諸目標達成に最も効果的に貢献するように力を適用する術』のことである。
そのために必要なものは「断固たる決断、決定が常に計算されたものであることを確実にする冷静な思考、そして努力が常に選択された目標の達成に向かって払われることを確実にする断固たる決意(ボーフル)』である。
ついでに加えておくが、ボーフル将軍は「指導者」については「思索の人であると同時に行動の人でなければならない」と書いている。週刊文春によると鳩山首相は11月20日夜は『自衛隊音楽祭り』に出席して挨拶、21日午後には国立劇場で『3時間の歌舞伎鑑賞』、22日には朝から米大使公邸で、大使とアメリカンフットボールの試合をテレビ観戦し、午後には野球のプロ・アマ交流戦で始球式に臨むという『行動の人』であるようだが・・・。
最初の写真は20日の深夜に亘る衆院本会議出のものだが、次の写真はまるでウソのようにお元気であるから確かに「行動の人」ではある。
『劇場型』の仕分け作業は支持率アップに効果を挙げたようだが、週刊誌の『劇場型写真公開』は落とし穴であり油断できない! 今後、24万の自衛隊最高指揮官として、しっかりと戦略を学んでいただきたいと思う。
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