軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

閑話数題

 ここ数日雨模様が続いたので、資料整理と読書に明け暮れた。「中国人の世界のっとり計画(河添恵子著)」は、訪中時の体験と重なり実に面白い。「中国人自治区という“がん細胞”」「世界中で『義務なき権利』を行使」「民主主義ならぬ『金主主義』」など、彼女らしい造語も的を射ている。


 近代史では『日本軍・山西残留(米濱泰英著)』『新版・白団:台湾軍を作った日本人将校たち(中村祐悦著)』などには考えさせられる。当時の日本人はスケールが大きかった。今のように『ちまちま』していない!


 ニュースで感動したのは「はやぶさ」の帰還風景だ。7年間も宇宙を漂い、幾多の困難を乗り越えて任務を果たし、目標地点に予定通りに戻って大事なカプセルを見事に投下して自らは「燃え尽きた」様を見て感動した。何だか特攻隊の突入シーンと一緒になって涙が出たのだが、「はやぶさ」は無機質の物体だが、人間もこうありたいものだと思う・・・。
 特攻機には生身の青年が乗っていたが・・・。JAXA関係者の健闘を讃えたい。

JAXA公表写真≫


 相撲協会の不祥事は今に始まったものではなかろう。過去に問題になった「八百長問題」も、稽古部屋での暴力事件問題も、はたまた今回の暴力団との癒着も、何ひとつ国民の前に明らかにされていない。貴乃花親方の選挙のときもそうだった。NHK・TVを通じて升席の暴力団幹部と刑務所内の幹部との通信に手を貸した問題といい、組織が腐っているのに横綱朝青龍関の「品格問題」とは世迷いごと、今度は大関の品格だそうだが、自ら襟を正さずして何が「国技」か!といいたくなる。
 今回の野球賭博に関与した関取衆が65人とか、氷山の一角だろうが、見てみぬ振りのナ〜ナ〜社会の末路に見える。


 見てみぬ振りといえば、解せないのは「携帯電話のマナー違反」を注意した男性が、傷害罪で現行犯逮捕されたという記事である。
「14日午前7時55分ころ、西武新宿線高田馬場駅で、車内で携帯電話を使用していた男性(49)に注意されて口論となった。男性はホーム上でに殴られ、駅に進入してきた列車と接触。右手の骨を折る重傷を負った。戸塚署は傷害の現行犯で、男性を殴った東村山市の会社員(実名・45)を逮捕・・・」というのだが、どこかおかしくないか?

 まず記事の書き方だが、マナー違反している方を「男性」と書き、注意した方は「男」とある。「男」と書かれると「悪役」に読める。これは大きな誤り、しかも“差別”じゃないか? 列車に触れて「男」の方が負傷していたらどう書いたのだろう?「男性」が逮捕されたのだろうか?
 携帯使用マナーについては、車内放送でもしつこく注意されていることだし、無視した方が「男」と書かれるべきだろうに。車内放送も形だけのマンネリにしか見えないが、マナーを重視した方が「逮捕」され、無視した方が手厚く扱われるのだったら、誰も正義など信じまい。


 今の世の中、余りにも「偽善」が多すぎる。いっそのこと、携帯電話の制限を廃止して、自由に使用させたらどうだ? 携帯の価値は、電車内であろうとトイレ内であろうと、緊急を含めて連絡手段が確保されるところにある。「シルバー席」での使用禁止規則だって誰も守ってはいないが、壁には「OFF」と大きく表示されている。なんと言う矛盾、規則だからというのなら、違反行為を厳重に取り締まるべきだろう。それとも「マナー」は取り締まらなくてもいいものか?
 以前書いたが、高速道の速度制限だって、車の性能が向上した今じゃ時代遅れに思える。アウトバーンの様に「最低速度」を規定して、上限なし、出るだけ出させるが良い。事故を起こしたらそれは「自己責任」、本人または親類縁者にすべて補償させるようにすれば、金を払わされたのじゃたまらないと思うから親族は事故を起こさせまいとするだろうし、正義も貫かれる・・・と思うのだが「前例」がないからダメなのだろう・・・


 ついでに言うと菅首相のお師匠さんが作った「売春禁止法」も、法はできたが「行為は」地下にもぐり、以前以上に一般人のモラルが退廃した。専門家に言わせると「暴力団規制法」もその類で、やくざが地下にもぐったから素人さんの被害が拡大し、警察も手を焼いているという。今の日本、渡る世間に「偽善はびこる」というところか?


 最後は口蹄疫問題。宮崎県の被害はすさまじいものだが、12日に入梅したので処分が進まないという。この間に、異常発生しなければいいと現地対策本部は苦慮しているようだが、14日の政府対策本部で菅首相は「多少余り気味でもいいから、どーんと人を派遣して、どんどん引き受ける」と述べ、埋却処分にあたる自衛隊を増派する考えを明らかにした、という。既に宮崎県には3000人の自衛隊員が投入されていて、更に60人派遣するそうだが、打ち出の小槌じゃあるまいに、軍縮が続いている自衛隊に「どーん」と派遣する余裕はあるまい。自衛隊のどこが「多少余り気味だ」と最高指揮官は思っているのだろう?

 部隊のどこかにしわ寄せがいっているはずで、隊員たちは黙って耐えているだけだろう。そのうち「金属疲労」が現れるだろうから、その時は菅さんの身内に「ど〜ん」と現場に出かけていってもらいたい。北教組や民主党青年部員はどうしている? 赤松前農相に指揮させて「ど〜ん」と現地に駆けつけ、汗水をたらしてみたらいかがか?
 悪天候下で休みなく働かされている現地対策関係者、及び自衛隊員の声なき声が聞こえてくるようである。


 気象庁が関東地区の入梅宣言をしたら、皮肉にも“恒例で”今日は好天になった。さわやかな朝の空気を吸いながらこれを書いているが、気分は少しもさわやかにならないのはやはり「梅雨」入りしたからだろうか?これからは毎日が更に鬱陶しくなりそうな予感がする。

中国人の世界乗っ取り計画

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中国人とは愛を語れない!

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日本軍「山西残留」―国共内戦に翻弄された山下少尉の戦後

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新版 白団(パイダン)―台湾軍をつくった日本軍将校たち (芙蓉選書ピクシス)

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