軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

国家の興亡

 昨日は、「月刊日本」の沖縄基地問題に関するインタビューを3時間受け、夕方からはチャンネル桜で恒例の防衛漫談をしたが、その後、「カラオケ大会」に出るよう促された。
 カラオケといってもチャンネル桜の場合は「軍歌小学唱歌特集」だから、いまどきの若者が知るはずはない。しかし、若い美人のアシスタントはおばあちゃんから教えられて知っている「我は海の子」をしっかり歌った。今では学校では全く教えられないという。子供たちが「素直でない」はずである。

 私は、今の沈み行くこの国の姿から、「海ゆかば」を歌って英霊に感謝と哀悼の意を表することにした。この数年、カラオケから遠ざかっていたから、お耳障りな点はお許しを!


 さて、中国では帝国の崩壊の歴史は「水、旱、疫、蝗」といわれているという(中華帝国の興亡:黄文雄著)。つまり、水害、旱魃、大疫(疫病)、蝗害(蝗=害虫)が、連鎖的におき悪循環の果てに飢饉が起き、大量の餓死者が出る。その大元の原因は異常気象であり、文明による自然破壊で、中国の天災の歴史を分析すると、時代が下がるにつれて局地的なものから全国規模に拡大していること、災害が互いに関連しあうこと、起きる周期が年々短くなって被害者の数も急増しているという。

 今、中国国内では異常気象現象が多発し、水害・旱魃で人民は大きな犠牲を払わされている上、いよいよ「共産中国帝国の興亡」が話題になりつつある。


 大紀元日本(8月10日)によれば、「5年に1度開かれる中国共産党全国代表大会の第18回大会(12年9月開催)に向けて、中共指導部が密かに権力闘争を繰り広げている。中国国防大学のトップ、劉亜州中将はこのほど、香港「鳳凰週刊」で、中共は現在の政治体制を改革しなければ、「その政権は必ず崩壊してしまう」と断言した。劉氏の大胆な発言の裏に中共中枢部からの有力支持が存在しているのではないかと、さまざまな憶測が飛び交っている」という。わが国で自衛隊高官が政治的発言すれば首が飛ぶが、さすがは劉亜州中将、お咎めはないらしい。権力闘争が激化している証拠で大乱の兆しだといえなくもない。
 暴発するのは10月以降(上海万博)になろうが、その前に日本では9月の民主党代表選があり、政治的混乱は避けられそうにない。
 黄文雄氏は「中国の大動乱が日本に押し寄せる」という書も出している(徳間書店)。これも中国の歴史分析結果なのだが、さて、押し寄せられるわが国の態勢は限りなく心もとない。すでに「先遣隊100万」は配置についているというのに・・・


 今朝の産経の見出しを見ただけでも、この国は日本国ではなくなりつつある。
1、1面トップには、日韓併合100年「首相談話:痛切な反省」閣議決定とあり、菅内閣は「韓国に併合されたい」らしい。
2、その隣には、朝鮮学校無償化について「文科省『思想』は不問」だと説明し、反日教育をしている朝鮮学校の授業料を無償化するのだという。日本の文科省初等中等教育局は、北朝鮮人で構成されているらしい。
3、5面では菅首相が「非核3原則の法制化を検討したい」と会見で語っている。『核軍縮に向けた強い思いは変わらない。核兵器のない世界になれば抑止力は必要なくなる』と述べたらしいから、開いた口がふさがらない。個人の強い思いは勝手だが、一国の首相の判断だと混同されてはたまらない。
 無償化する朝鮮学校を支配している、金正日さんに向かって同じ事を言ってみたらどうか?『核兵器のない世界にするよう、廃棄してください』と!ついでに胡錦濤さんにも伝えてほしいものだ。『あんた本気か?』とまじまじと見つめられることだろう。
 彼らは全共闘時代の発想から一歩も進歩していない。
4、7面の『正論』欄に、稲田朋美女史が久しぶりに登場して、「『自らの国は自らが守る』気概を」と書いている。

 十年一日の如く書き続けられてきたその言やよし。意見する気は毛頭ないが、ひとつだけお伺いしたい。
 今や『自ら守るべき国』を支配しているのは、左派社会主義者たちであり、本来あるべき『真性日本』の指導者たちに支配されている国ではない。
 特定アジア諸国に併合されたいと願っている、非日本人政権が支配しているとしたら、そんな国を『自衛隊は自ら守る』必要があるのだろうか?
 多くの英霊が、後に続くを信じて散華したいった「美しい国・日本」を守るのは分かる。左派に支配されないための「気概」を説いているのか?それとも“そうでなくなった国”でも守る気概が大切だというのか?
 防大時代から、我々はいつも討論して来た。「自衛隊が守るべきものとは何か?」と。今やその校長は親中派である。
 だから稲田女史に教えてほしい。この国が「社会主義体制」になっても、自衛隊は命を賭けて「その体制」を守るべきなのか否か?
 社会党の村山氏が首相になったときは、彼自身が豹変した。しかし今度は筋金入りである。我々が守るべきもの、それは昭和45年11月25日に市ヶ谷台で自決した三島由紀夫の「檄文」に集約されていると私は思う。
 中曽根首相時代にも「自らの国を守る気概」が強調された。しかし今や時すでに遅し、ではないか?

 保守派論壇は当時も今も同じことの繰り返し。勿論真摯な内容に変わりはないが、環境は激変している。影響力の点で“ペンは剣より強い”とは思えなかった。福田恒存先生の「言論は非力」を痛感するのは私だけか?
「国家の興亡」がかかっている秋が迫っている。

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