軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

対中有事シナリオ“漏えい?”

今朝の産経一面トップに「防衛省対中有事シナリオ判明」とある。
尖閣占領から奪還までを想定したシナリオらしいが、「三ツ矢研究」が国会で大問題になったころとはずいぶん変わったものだ、と感慨新たである。

≪得意げに当時の裏話をする岡田春夫元議員(週刊朝日'86・2・14)=この時は盗まれた自衛官が処罰され、盗んだ記者は出世した!≫


それにしても、「今年に入りモデルケースとして尖閣占領シナリオを秘密裏に作成した」そのシナリオが“公開”されることはいかがかと思う。
身内に厳しい防衛相、三ツ矢研究の時のように「犯人探し」で犠牲者が出ないことを祈っている。


防衛省自衛隊はいうまでもなく「有事」に備えて連日研究、訓練しているのだから、取り立てて問題にすべきものではないが、産経が指摘しているように、尖閣問題に対処するための検証に入ったものとしての評価は出来ても、「昨年12月に策定した新たな「防衛計画の大綱」に基づき、自衛隊の警戒監視・機動展開体制などの強化策を検討するに当たり、沖縄県尖閣諸島が中国に占領されるシナリオを作成していた」としたら、確かに「本末転倒・内容無き『宿題大綱』」である。

第一、奪われてから「奪還する事を想定」したのでは無駄な犠牲を増やすだけ、事前に強固な体制を構築しておくべきである。
現役時代、私はこの空域の防衛を何度もシミュレーションしてきたから、広大な海・空域を防衛することがいかに困難かを身に染みて知っている。事前配備してしっかりした「抑止力を構築」しておいてほしい。

≪魚釣り島上空を飛行する三沢のF−2戦闘機=警戒飛行は抑止力の第一歩!≫


ところで12面に、竹本忠雄・筑波大名誉教授が「『なぜか』への至上の答え」と題して、4月28日に産経に掲載されたこの写真に衝撃を感じた、という一文を寄稿している。
「衝撃は、写真につけられた『迷惑をかけない日本人』という記事とのコントラストで倍加した。ソウル支局長、黒田勝弘氏のリポートで、そこで投げられたある問いに対して両陛下のご姿勢以上に絶妙な答えはあり得ないと思われたからである」とその動機を語るのだが、以下掲載画面に続くのでぜひご一読いただきたいと思う。


産経新聞から≫


文中にあるが、アンドレ・マルローの「日本人は精神の高貴さを持っています。なぜですか。仏教も、その理由の一つではないでしょうか」との問いに、間髪を入れず出光佐三翁が「そうじゃありませんね。二千六百年続いてきた皇室が原因ですよ」と答えた挿話は秀逸である。

私は講演などで「日本は国家か?」という問いに、「国民、領土、主権」を守れない今の日本は「国家ではない」と答えるのだが、今回の震災で、出光翁の答が正しかったことを悟った。つまり戦後の日本は「国家ではないが依然として『皇国』である」ということを。


被災者のだれもが両陛下にお言葉をかけられて感動し、笑顔になる秘密、それは≪二千六百七十年余続いてきた皇室が原因≫だと理解できたのである。

産経新聞から≫


同時に、両陛下がお見舞いなさるお姿を解説する“美人記者”の「敬語」の乱れには“百年の恋も一日で冷める気分”を味わっている私としては、教授の表現力の一部も報道各社に学んでほしいと思うのである。下品には一瞬にしてなれるが、高貴なものはなかなか身につかないものであるから。
尤も、日本の伝統文化を貶め、未だに「ブルジョア」を吊し上げて快感を覚えているような「プロレタリアート」や、一部の“確信”的反日報道会社には無視されることだろうが。


そんな歴史と伝統、文化度の高い国を、こんな“上品な”方々が支配していることの愚かさと恐ろしさを痛感する毎日である…



≪防護服、手袋のままで握手する岡田克也幹事長=いったい何さま?≫

≪この落差!何ともおぞましき政権首脳たち!=以前の週刊文春などから≫

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