7〜8日と箱根をドライブして英気を養ってきた。ガラスの森美術館では、たまたまヴェネチア展が開かれていて、バイオリニストのアルベルト・デ・メイス、アコーディオンのセバスティアーノ・ゾルザの演奏会に出くわした。素晴らしい二人の演奏を楽しんだ後握手して記念撮影、CDを買ってきた。いい記念になった。
サンテクジュベリの「星の王子様館」では、平日だったから落ち着いて参観できたが、改めて彼の足跡をたどろうと考え、「夜間飛行」は持っているので、改めて「星の王子様」のオリジナル本、「人間の土地」を購入してきた。
同じ操縦者として、彼の視線から描かれた世界観が、何かの示唆に富んでいると思ったからである。
館内狭しと展示された彼の大きな写真を見ていると、なんだかN自動車のG社長にそっくりに見えてきた…
展示の中に、米国へ亡命した彼が、「ドイツに占領された祖国・フランスを救うため懸命に対独戦に米国を誘い込もうと努力したが、日本の真珠湾攻撃でその願いが達成された」という解説には、考えさせらた。
翌日はポーラ美術館でルノアールなどの名画を鑑賞したが、私には常設展の中の「化粧品」に関する展示が興味深かった。
我が国古来の女性の化粧用具などが展示してあったが、女性としてのたしなみ(身だしなみ)を教える書や、行儀しつけに関するものなど、今の日本から消え去った≪日本婦人らしさ≫に関するものに、感慨深いものがあった。
単に男がだらしなく、女性が元気になった…という次元のものではなく、男らしさ、女らしさという今では完全「死語」になった日本の伝統文化を再認識させられたのである。
内面に輝くものがないのに、いかに最新化粧用品を揺りたくっても、豪華な衣装を身にまとっても、全体のバランスが取れない…という話。昔の日本婦人は、まず「教養」という土台の上に“質素”な化粧を施したようだが、私には美しく輝いて見える!
利益を文化事業で還元する大企業の姿勢にも敬意を表したい!
身が洗われた2日間だった。
そんな文化的な高い香りを満喫した箱根から帰宅すると、溜まっていた新聞紙には地上の汚濁があふれていた。
福島原発事故に関する「国会事故調」に、参考人として呼ばれた東電の清水正孝前社長が、≪政府側への全面撤退発言については改めて否定≫するとともに、≪菅直人首相(当時)が東電本店で「撤退すれば東電は百パーセント潰れる。60歳を超えた幹部は現地へいって死んでもいい」と発言したことについて、「発電所で死力を尽くしている社員が打ちのめされた印象だ」と語った≫という。
何度も言うが、初動対処の良しあしがその後の状況を大きく左右するのは、危機管理の常識だが、東電は不十分だったのであり、やはり殿様商法といわれても仕方あるまい。
とりわけそれを助長したのが、時の菅首相の間違った≪独断専行≫であったが、その上「60歳以上の幹部に“特別攻撃隊編成”指示を出していた」というのは、異常を通り越して「悪魔の飽食?」的発言だろう。こんな男がわが光輝ある日本国の首相だった…という歴史は、取り返しのつかないものである。そんな≪人道上許しがたい発言≫に対して、我がメディア界はじめ民主党議員からも野党議員からも何ら批判が聞こえないのは、すでにこの世界が狂っているからだとしか言いようがない。
事故調では「官邸が現場に過剰介入した」「指揮命令系統を混乱させた」「場違いな初歩的な質問もあった。現場対応に余分な労力が割かれた」などなど、官邸の危機管理体制がなっていなかったことを指摘しているが、その根源には「確実な情報のみを発信する平時の対応を続けた」ことがあり、これが「甚大な混乱と被害を引き起こした」と分析している。「戦時」を忘れたこの国には、「平時」以外のことは考えられないのである。
大東亜戦争では、「東京裁判」で敵国から≪戦争犯罪人≫として、時のわが指導者たちは絞首刑にされた。
今回の責任者たちは誰がどう裁くのだろう?
報告書作成で一件落着ではあるまい?
福島では、まだまだ生活が混乱していて、特に原発周辺住民の生活破壊は、全く改善されていないし、今後も望めそうにない。
そんな、まるで悪代官のように県民を苦しめ、「最大の犯罪」を犯した政府は、解散したら滅亡して姿を消すだろうから、その後だれが責任を取り、補償するのか不明である。
今のうちに徹底的に彼らを拘束して、福島県民を中心にした被害者による「福島裁判」を予定し、徹底的な追及をすべきではないか?
「馬鹿な大将、敵より怖い」というが、そんな馬鹿を選出した有権者が悪いとはいえ、現実に起きた事故責任は、徹底的に追及されなければならないと思う。
事故調査の目的は、事故の原因を調査して再発を防止することにあるが、当然その責任は問われなければ再発も防げないからである。
そんな古新聞に目を通していたら、テレビから「東電が値上げをするのは、社員の給料を上げるため?」という信じられないコメントが飛び込んできた。「値上げ情報」は、「電気料金値上げ」であって、「社員の給料値上げ」じゃあるまい。聞き違いなのか??
これは誤情報だろう!いや、そう思いたい。
政府が決心した一部の原発稼働は、窮地を脱出するための窮余の一策だろうが、まさか、東電社員の給料料値上げのため?だとしたら、こんな理不尽が許されていいはずはない。
清水社長は、東電からどこかに“天下り”する(している?)そうだが、有能な知識を活用するのは一向に構わないが、有給だとしたら、すべての資産を失った事故犠牲者たちは浮かばれまい。
熱心な読者の方々から教えをいただいて、その事実関係を知りたいものだが、この世には≪信じられない現象≫があまりにも多すぎる。
今週は、そんな俗世間を離れてサンテクジュベリの精神をゆっくり学びたいと思っている。
新著紹介
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1、「ありがとう、金剛丸=星になった小さな自衛隊員」
桜林美佐著:ワニブックス(¥1200+税)
“戦友”桜林女史の、自衛隊レポートである。大震災では自衛官たちの「滅私奉公振り」を活写したレポートがあるが、本書は隊員たちと共に戦った呉地方隊所属の海自警備犬:金剛丸の働きぶりを描いたものである。隊員たちとの友情関係もさることながら、忠犬ハチ公を思い出す「犬の行動」に感動する。
警備犬を持つ基地では、これに似た隊員たちと犬たちとの友情があふれているのだがその一端が公表されたことに感謝したい。
余談だが、我が家に巣をかけたキジバトは、帰宅してみるとすでに巣立っていた。これで昨年に続いて雛たちが巣立っていったのだが、今朝早く、親が私に「お礼」をいいに来てくれた!
「クック、クック」とそばに来て鳴いたのは多分「子供が巣立ったこと」に対するお礼だったのであろう(と思っている)。
人間には鳥獣の言葉は理解できないが、動物には人間の言葉が通じている、と私は信じているから。
金剛丸もそうだったに違いない。ご一読あれ。
2、「中国人民解放軍・知られたくない真実」
鳴霞著:光人社(¥1900+税)
今、大陸は非常な政治的危機に陥っている。すでに経済崩壊は始まっているが、問題は政権奪取活動である。そしてその背景には、国民をのけ者にした「人民軍」という巨大な“暴力装置”が控えており、その動きが政治的不安要素を左右しているのである。
非常に分析力鋭いうえに、広範な情報網を生かしている著者の、極楽とんぼ・日本人に対する警告を、ぜひ知ってほしいと思う。
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[図解]これが日本の戦争力だ! 北朝鮮、暴発!?そのとき、日本はどうなる?どうする!
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