軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

薄煕来裁判一応終結となるか?

21日土曜日、靖国会館で兵法研究会の講演「山本五十六提督と東条首相の虚像と実像」を実施した。
3連休の初日だったが、境内には若者の姿が目立ち、英霊も喜んでいるだろうと嬉しくなった。会場にも続々人が集まってくれたのだが、相変わらずの「電気紙芝居」の早送りだったから、皆さん理解できなかったのではないか?と気になった。
それにしても両将に対する関心が高いので驚いた。質疑などで感じた両将に対する評価は提督▽、将軍○というところか。次はいつ本になりますか?と聞かれたのには恐縮したが、帰宅して資料を整理していたところ、コピーなどが次々に出てきたので驚いた。また、補足しなければならなくなりそう…


ところで今日の本題は中国問題。
≪23日付の中国各紙は、元重慶市トップの薄煕来被告に無期懲役の判決が言い渡されたことを、手錠を掛けられた写真とともに1面トップで報じた。習近平指導部には薄被告の転落を国内外に強調する狙いがあるとみられる。
 各紙は、薄被告が収賄、横領、職権乱用の三つの罪で有罪になったことを強調。写真は国営新華社通信が配信したもので、薄被告が手錠を掛けられ、2人の刑務官に肩と腕をつかまれた状態のものだった。(共同)≫

≪薄裁判=産経から≫


≪23日付の香港紙、明報などによると、22日に収賄罪などで無期懲役の判決を受けた中国重慶市元トップの薄煕来被告は、法廷で判決が言い渡された後、「判決は不公正だ」などと大声で叫び、不満を爆発させた。山東省済南市中級人民法院(地裁)で開かれた判決公判を傍聴した人の話として伝えた。≫


薄煕来裁判がこれほど詳細に“公開”されるのは、習政権の政治ショーだからだと言われるが、無期懲役とは、中国の規定では服役態度が良いと13年で仮出所になるそうだから、多分13年後に釈放されるだろうと言う。
薄煕来被告は現在64歳だから、出所する頃は77歳〜、既に政治生命は断たれているから、習近平も恩赦してもいいのだと言う。既に恐れるほどの敵ではないということか?

そんな裏取引がなされているらしく、今後は周永康元政治局常務委員が汚職の疑いで調査されて裁判にかけられるか、あるいは5000万ドル横領のスキャンダルを持つ徐明か?というのだが、徐明は一時温家宝の娘婿で、温家宝の蓄財に関与したといわれたが、その後彼は温家宝の娘婿ではないことが判明している。
彼は大連市の実業家・徐明(41)氏であり、共産党の紀律部門に拘束され現在取り調べを受けている。彼の罪状は薄氏の息子の留学費用を提供するなど、薄一家の後援者と言われており、薄煕来裁判が一応終了した今、徐明の犯罪行為が大々的に暴かれるか、それとも周永康が裁かれるのか、今後とも薄一家に対して政府がどんな対応をするかなどと、人民は大いに関心を持っているらしい。

≪徐明氏=産経から≫


こんな政治ショーよりも我が国に今直接関係がある重大問題がある事を忘れてはいけないだろう。我が国の大学やマスコミ界に潜入して“スパイ”活動している中国人研究者たちの動きである。
一説では、日本国内でスパイ活動をしていたとされて拘束されている朱建栄教授は、恵比寿に土地を所有しているそうで、その名義が誰になっているか当局が調査中らしい。つまり、朱教授が買えるはずはないので、誰が誰の名義で何のために購入したのかというのである。
土地の広さにもよるが恵比寿は東京でも一等地だから、巨額な金の流れが解明されると、日本人を含む、案外意外な人間関係が浮き彫りになってくるかもしれない。


ウォッチャーによると、朱教授が2003年の発足以来昨年末まで代表を務めていた「日本華人教授会議」という日本で活動している在日中国人の研究者らでつくる会は、朱建栄・東洋学園大教授の取り調べに対して「中国が法治国家として法律に基づき、関係当局が本件を公正に処理することを信じる」という声明を出した。
日中関係が厳しい状況にある中「両国関係の改善に努める朱教授の姿勢を評価しなければならない」と言うのだが、既に後任の議長に法政大学の王敏教授が就き、各方面に働きかけをしているという。
彼女の略歴は、インターネット上では「法政大学教授。比較研究(社会と文化)と日本研究、宮沢賢治研究が専門。中国・河北省生まれ。大連外国語学院大学日本語学部卒、四川外国語学院大学院修了。人文科学博士(お茶の水女子大)。文化大革命後、大学教員から選出された国費留学生となり、宮城教育大学で学ぶ。日本文化に関する著書多数。2009年、文化長官表彰」とある。
彼女もなかなかしとやかそうに見える女性であり、なんとなく“外国女性”に弱い、日本関係者の動きが想像されるが、一見すると日本人と間違われやすそうで日本語をしゃべられると市民には区別できまい。

≪王敏・法政大学教授=インターネットから≫


一般的に華人の男性研究者や教授は日本人女性と結婚するか、又は帰化するように勧められているらしく、ウォッチャー氏は、そうすれば気がやさしい日本人は「日本人の仲間だ」と安心して気を許すからだ、と警告する。
彼女は「中国にとって日本のイメージとソフト・パワー」と題して、2009年7月1日・朝日新聞アジアネットワークで”公開授業”をするなど、日中両国内で相当な“文化活動”をしている。


日本華人教授会議メンバーの中には頻繁に住居を変えている者もいたりして、なかなか公安当局も掴みづらいらしい。

≪王秀文夫妻研究所訪問、右端が王敏教授=インターネットから≫

≪王敏教授の講義録:「日本再生に向け、日本人に求められるものとは何か?日中文化比較学の第一人者が、宮沢賢治の描く笑いを通じて日本人の深層心理を探る」とある。=インターネットから≫


まあ、シナの内紛は彼の国の出来事、問題は日本国内に、まるでゾルゲの様な連中が大手を振って活動しているという異常さだろう。
私はこれを「間接侵略は進行している」と強調して警告してきたつもりだが、退官して17年、やっと日本人は目が覚め始めたらしい。
そういえば、南西方面に「無人機が出現」したため、防衛省がその対案を“検討中”らしいから、これまた当時から17年たっている…。

日本の政府関係者が危機管理事態に気が付くには、どうやら「17年間」かかるらしいことが判った。この間にそれほどの被害が出なかったからよかった?ものの、これからの事態展開のテンポは今まで通りにはいくまい、と心配になってきた。


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チャンネル桜で防衛漫談相手の井上君の最新書。以前、航空自衛隊連合幹部会が出している「翼」に連載されていた紀行記の集大成である。
私も間違った戦後教育のおかげで、日本は大東亜戦争でアジアの国々を侵略して痛めつけた、と思い込まされている若き日本青年男女の目を覚まそうと思って「大東亜戦争は昭和50年4月30日に終結した」を青林堂から出したのだが、井上君はそれをわかりやすく詳細に解説してくれている。
是非とも“合わせて”ご一読いただきたいと思う。

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