軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

地に落ちた商道徳

昨日の大雪は、予報通りだったが、都内の交通は混乱したようだ。危機管理体制が叫ばれて久しいが、これじゃ改善・進歩したとは言えまい。

交通機関の運行指令所は、復旧に懸命だったとしても、乗客らが雪の中で立ち往生することくらい推察できただろうに。情報提供が未熟である。
これじゃ直下型震災時が気にかかる…


それにしても、このところ企業のモラルが問われる事件が多発している。
長野県軽井沢町のスキーバス転落事故では、将来を担うべき若者たちが不慮の死を遂げたことが痛ましい。

バスの運行を受注した「イーエスピー」は法定の基準額の下限を下回る額でツアーを実施したようだが、社会人ではない学生は低賃金を選ぶから事故に遭ったといえる。何とも気の毒だが、それにしても“大人であるべき”筈の経営者らの儲け第一主義は見苦しく、若者たちの模範たり得ない。
≪安全・安心≫とは念仏のように唱えられている標語だが、この会社は、事故を起こした運転手らに必要な教育を施していなかったばかりか、健康診断も実施していなかったという。
この種の大事故が、いかに多発していたか、そんな事故事例に関するニュースを全く知らなかったとは言わせない。
希望に満ちた将来を、こんな基準以下の企業人らに閉ざされた多くの優秀な若者たちはもとより、将来を期待して育ててきた親御さんたちもさぞかし無念だろう。お悔やみ申し上げる。


異物混入で破棄した食品を、廃棄業者が勝手に流通ルートでさばいた事件もあきれてものが言えない。

今朝の産経抄子はこう書いている。


≪【産経抄】異色の経営者夫婦 「CoCo壱番屋」に受け継がれるDNA 1月19日

 宗次(むねつぐ)徳二さんと直美さん夫婦の波瀾万丈の物語は、テレビドラマに十分なりうる。名古屋市内に開いた喫茶店が始まりだった。直美さん手製のカレーが評判を呼び、カレー専門店の出店を決意する。

 ▼客が辛さやライスの量を自由に選べるサービスなど、宗次さんのアイデアはことごとく当たった。店は順調に増え、やがて千店を超えるチェーンに発展する。宗次さんの人生は、単なるサクセスストーリーにとどまらない。

 ▼還暦を前にして経営から離れると、社会貢献活動に専念する。実の両親の顔を知らず、児童養護施設に預けられたつらい経験が、行動の根底にあった。平成19年には、二十数億円の資産を投じて、クラシック専用ホールを建設、世間を驚かせた。貧しい少年時代、テレビの音楽番組に慰められたからだという。

 ▼そんな異色の経営者夫妻が作り上げたカレーチェーン「CoCo壱番屋」の名前を、ここ数日新聞で見ない日はない。自社工場で作り、異物混入の疑いがある冷凍ビーフカツが、あろうことか、店頭で売られていたのだ。

 ▼といっても、壱番屋はあくまで被害者である。廃棄を依頼していた産業廃棄物処理業者が、横流ししたものだ。壱番屋のパート従業員が、スーパーの店頭で冷凍カツを見つけて、事件が発覚した。壱番屋が事実を明らかにしたのは、そのわずか2日後だった。危機管理の専門家は、迅速な対応を評価している。

 ▼実は宗次夫妻は昨年末、壱番屋の株式をすべて、食品大手のハウス食品に売却している。関係がなくなったとはいえ、二人の遺伝子は受け継がれていく。夫妻は、事件の行方を心配しながらも、かつて家族同様に接し、厳しく鍛え上げた元部下たちの仕事ぶりには、信頼を置いているはずだ。≫


軽井沢バス事故といい、産業廃棄物処理業者の横流し事件といい、良い歳した“大人”たちが、取るべき行動じゃないだろう。
少しは宗次夫妻の心意気を学んだらどうだ?


今朝の産経トップは、「震災復旧談合」で「舗装各社強制捜査へ」とある。


「産経ニュース」には「同志社の事務部門トップら6人逮捕…市に無許可で大学施設内、廃棄物運搬容疑 京都府警」との見出しで、
京都市に無許可で大学施設内の一般廃棄物を収集運搬したとされる事件で、京都府警は19日、廃棄物処理法違反(無許可収集運搬)の疑いで、学校法人同志社の子会社「同志社エンタープライズ」社長を務める法人事務部長、北幸史(ゆきふみ)容疑者(57)=奈良市=や建物管理会社「コスモスビルメンテナンス」役員、吉田多郎容疑者(68)=京都府亀岡市=ら6人を逮捕した。法人事務部長は、学校法人同志社の事務部門のトップ・・・≫とある。


教育界もこのありさまじゃ、苦労して入試に取り組み入学試験に合格して、大学で勉強して卒業できても、渡る世間がこの体たらくでは、学んだ意義はなかろうに。


バブル真っ最中の時期、私は松島基地司令だった。当時の大蔵省幹部の「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」のニュースをテレビで見た床屋のおかみさんが、私に「司令さん、この方たちは大学でいったい何を学んだのでしょうね〜。私は家が貧しかったので中学を出て理容専門学校に通ったが、読書が好きだったので高校に進学した友人から教科書を借りて読んだものです」と語ったことを思い出す。私はその時[高学歴無教養]という言葉を思いついたのだったが…


それにしても、大企業といい今回のような中小企業といい、商道徳が地に落ちた。これを私は以前から「商農工士」の世界になったからだと認識している。


TVで見る限り、世界中に日本人の優しさと、国がらの素晴らしさが認識されつつあり、外国人観光客が押し寄せているとき、こんな低俗な?ニュースが新聞の一面を飾るようでは、後進国並みと言われても仕方あるまい。実に嘆かわしいものだ。


ところで台湾の総選挙は蔡英文女史の圧勝に終わった。8年ぶりの政権交代と、初の女性総統の誕生である。シナは怒り狂っているようだが、これが成熟した民主主義というものだ。よく学んだらよい。
これから徐々に台湾が「成熟した国家」にして成長していくことを期待したい。

いくら両岸の経済交流が盛んになったといっても、シナには商道徳が欠落していることは世界中に知れ渡っている。今更AIIBもあるまいに。結論は見えている。


≪圧勝した蔡英文候補:今後のかじ取りを期待しよう=大紀元日本から≫

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