軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:新聞の功罪

 

風邪を引いた、と書いたところ早速ブログ読者に御心配をおかけした。すっかり、と言うわけではないが、調子を取り戻したのでご安心頂きたい。

さて今日は、古い切抜きに面白いものを見つけたので、「新聞記事の功罪」について所感を述べてみたい。

まず最初は昭和60(1985)年7月15日付の朝日新聞のコラム[深海流]である。

「世間知らずの裁判」と題して、現場を知らないで判決を下す裁判官を批判しているのだが、この記者は誰あろう、あの有名な本多勝一記者である。

雫石事件を知る私としては、戦闘機操縦訓練の実態を知らない裁判官に理不尽な判決を下された苦い経験を持っているので、本多記者の見解がわからないではない。

しかし彼は”有名な”中国の旅を著した記者であり、その記事のほとんどが中国共産党から手渡された文書の内容通りであったことは一切公表していないはずだ。

文書は中国共産党によってでっち上げられた日中戦争時の偽造文書だったのだが、彼はその中味を検討することもなく発表して一躍有名人になった”無責任”男である。

水難事故などに関する裁判官の無知よりも、影響力が大きい記者として、外国から手渡された真贋不明の文章を公開したことの方がはるかに罪が重いのではないか? これがその文章である。

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次は同じく朝日新聞編集委員の井川一久氏による「『地獄の平和』知らぬ日本人」と言う同じコラムである。

井川記者はベトナム戦争時代から、サイゴンなど現地で取材した方で、私が「大東亜戦争は昭和50年4月30日に終結した(青林堂)」を上梓した時、戦後現地に残留して対仏戦争を支援するため、独立軍を組織して自ら先頭に立って戦死した井川省少佐(陸士47期生)の御子息に当たる。

私は氏の現地で隈なく取材した研究論文に大変お世話になったから、よく覚えている。

この様な、自ら汗を流して取材した記事こそが事実を伝えるものであり、その意味では本田記者に『世間知らず』とののしられた裁判官は、”無罪釈放”されて然るべきであろう。

 

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さて、トランプ大統領の発言で「フェイクニュース」と言う言葉が定着したようだが、前掲の記事のようにいい加減な者が書いた記事を高い料金を払って読まされる読者は堪ったものではない。

だから最近は新聞批判の声が高まり、販売部数が減ると嘆いているところもあるようだが、この当時から識者によって新聞はフェイクを指摘されていたのだ。これはサンケイ新聞に掲載された当時の意見広告である。

 

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問題は、この様な指摘を謙虚に受け止めてこなかった新聞社側にある。つまり、傲慢にも読者をバカにし、「言論の自由」だと威嚇して恥じなかった行為に、鉄槌が下されつつあるのだ。

その上、インターネットの普及で、読者は新聞記事よりもいち早く事実を知ることが出来るようになり、比較検討さえできるようになってきた。

新聞の衰退は自らがまいた種によるものだと言えそうである。

 

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友人の拳骨氏の新著である。朝鮮との外交問題が話題になっているが、終戦までは彼らは「日本国民」であった。だから志願して戦場に赴いた朝鮮人も多かったのだが、何故か彼らの”祖国”は彼らを認めようとはしていないから正常ではない。

今でも、日本人と交流がある者は”区別”されているという。はるか以前に、シナ1000年の支配による恐怖がしみ込んでいるから、日韓友好はありえないと言った高名な韓国人評論家がいたが、確かに彼が言ったように『日韓友好』はありえないらしい。

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支那に目が向いているが、やはり軍事の”老舗”はロシアである。ロシア戦闘機Su-57の最新情報は注目すべきであろう。

 

まだまだ新聞切り抜きの処分は終わりそうにない。少しピッチを上げて処分することとしたい。