軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

資料から:当時の教科書検定記事

前回は、自衛官の子弟が、教育の場で憲法違反の存在として”差別”されている実態の一部を書いた。

今日掲載するのは、当時の文科省による教科書検定の状況について、新聞がどのような批判記事を書いていたかと言う一部の例である。

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昭和60(1985)年7月2日付の朝日新聞だが、記事の最後を読めば、教科書編集者による文科省批判が重点になっている。

 

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これは同日付の毎日新聞だが、小学校社会科(6年)の検定例を示すものだ。

この中の「自衛隊の存在」欄(下から2列目)の原稿には「自衛隊日本国憲法の平和主義に合うかどうかについては様々な意見があります」と明記されているが、詳細な検定意見の指摘も無視して、出版社側は検定後も全く変化していないから、如何にこだわっているかが分かる。

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これは同日の東京新聞記事である。ここには文科省の検定「『指導書』で『検定強化』」と見出しにあり、「小学校の社会科教科書・憲法自衛隊など」がその対象になっているかのように書かれているが、そうではないのだ。如何にも何らかの”意図”を感じる。

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これは読売新聞だが、これも”中道”だとは言えず、編集者側の意見が取り上げられ、文科省を批判している。

恐らく実の親でさえも、子供の教科書の内容について、一々”検定”する暇はないだろうから、記者たちも、文科省の検定官よりも、検定される側の編集者がまとめた一覧表を基準に、手っ取り早く記事を書いているのだろう。これらも世論操作の『カラクリ』だと言える。

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そんな中、サンケイ新聞は、こんなことを取り上げている。

小学校音楽から、「われは海の子」や「村の鍛冶屋」などの昔懐かしい小学唱歌やわらべ歌などが、どんどん消滅していっている、と言う”警告記事”である。

あれから30年余、今ではほとんど消滅してしまっているのじゃないか?

私は今、雑誌「丸」に「われは空の子奮闘記」として体験記を連載しているが、読者には何者かわからないのかも…

こうして純真な子供たちの心が、世俗的で薄汚い現代風のTVコマーシャルソングに入れ替えられていくのだろう。

これじゃ子供たち同士の苛めも無くなるはずはない。幼少期から「変に大人びて殺伐とした歌詞」を叩き込まれるのじゃ、幼い精神がまっとうに育つはずはないからである。

今では卒業式で歌った「仰げば尊し」も、うたわれているのは「宝塚」ぐらいじゃないか?

日教組と言い、左翼出版社と言い、流石に日本人の「思想改造」のために、最も効果的な手段を手にしたものだ。