軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

真珠湾攻撃準備とイラン原子炉攻撃準備

12月8日の日米開戦記念日前後は、真珠湾攻撃の是非がよく話題に上がる。

新聞は戦争で販売部数を増やし、一儲けをたくらむのが常だから、当初は「勝った、勝った」と連呼して国民の戦意を煽り、販売部数を伸ばして稼ぎまくった。

誰も「戦争はよくない」とは言えない雰囲気を作ったのも新聞である。終戦後、問題になると「軍の統制で自由にモノが言えなかったからだ」と逃げを打った。

面白いことに「朝日新聞」だけは当時から一貫して「反米」だったことだ。今じゃ「反日」に徹しているが・・・

f:id:satoumamoru:20211212175911p:plain

「日録20世紀(講談社)」

今政府の“大問題?”は「10万円給付を、現金にするか、クーポンにするか」でもめているやに見える。なんとも呑気なことだ。

国際情勢を見るがよい。ウクライナ問題で、米欧とロシアは対立していて、見たところプーチン大統領がバイデン大統領を威圧している。

それどころか、イランの核施設に対して、国家の生存が脅かされているイスラエルは、断固施設の「排除」を推進している。イスラエルだったらやるだろう。イスラエル高官のここの処の動きはそれを暗示しているのだが、メディアは落選した石原代議士を雇用した政府を追及したり、日大前理事長夫人が経営する「ちゃんこ料理店」問題で大騒ぎだ。なんとも問題意識のズレが凄まじいので驚く。

 

開戦前、帝国海軍航空部隊は、鹿児島湾での事前訓練を終えてそれぞれの母艦に帰還し、連合艦隊主力は密かに大分県佐伯湾に集結して最後の演習の後、11月18日に択捉島単冠湾へと向かった

自国を滅ぼそうとしている宿敵国に対して、人口900万の国民を守るため常に神経をとがらせているイスラエルは、既に事前準備を終えて、待機状態にあるという。国際情勢(特に米国)がゴーサインを出せば(そう受け取れば」、だだちに部隊は作戦を開始するに違いない。

賢明な読者諸賢は、1981年6月7日に、イスラエル空軍の爆装したF-16戦闘機がイラク・タムーズに建設中だった原子力発電所空爆して破壊したことをお忘れではあるまい。当時の作戦名はバビロン作戦(別名オペラ作戦)と言った。

極秘の先制攻撃だったじゃないか!という向きもあろう。ならば「真珠湾攻撃」はどうだ。あれはルーズベルトの罠にはまったのだ、という向きもあろうが、歴史では「スニーク・アタック」だと決めつけられ、穏健だった米国民を激高させたじゃないか。滞米歴が長かったとされる山本五十六大将の“誤算”だったとしか私には思えないが、それはさておき今時「敵基地先制攻撃」が話題になるような国には、イスラエルのような捨て身の攻撃はできまい。

日中安保対話で2000年から10年間交互に中国側専門家たちと対話した経験からすると、既に今や我が国は「中国の自治区」化していると言っても過言ではない。

f:id:satoumamoru:20211212180248p:plain

「当時の中国側の資料を翻訳したもの=2050年にこうなる?」

80年前の“誤算”を云々する前に、現状をよく分析してほしいものだ。

どこか今どきの政治家らの思考力はズレているとしか思えない。

国防無き国は、必ず国民ともども奴隷に堕することをお忘れなく。

 

届いた書籍のご紹介

==========================

 

f:id:satoumamoru:20211212180635j:plain

「軍事研究1月号」

懐古趣味?の方には、世界の機動部隊の中の「真珠湾攻撃「空母機動部隊の創造」がいいだろう。

機動艦隊の使い方を間違えたのがかの山本提督だったが…

私は「習近平の権力基盤強化?『大将の若返り』」の方に興味がある。

5万円給付もいいが、たまには軍事研究誌を読むことを代議士らにお勧めしたい。