軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ウクライナ侵攻でも目が覚めないか?

プーチンはやはりウクライナ侵攻に踏み切った。ロシア(ソ連)の常套手段は、相手が弱いと見たら必ず攻撃することだ。

今回のきっかけは、世界最強と言われる軍隊を持つ米国の大統領が、強いトランプから弱いバイデンに変わった(変えさせた?)ことであり、先だっての米ロTV会談で、それは見え見えだった。日本でも誰かは気が付いたことだろう。気が付かなかったとしたら、本当にわが国の指導者達には見る目がないことになる。TVは“笊の上の小豆”で“オチャラカ”だから期待してないが、私はあの会談で、フルシチョフケネディ当選でほくそ笑んだシーンを覚えているから、先日ブログに書いた。

しかしあの時はケネディは敢然として反撃に出たし、何せ強力な軍隊が直ちにソ連船団の封鎖(実力行使)に動いたから、「キューバ危機」はフルシチョフの完敗に終わった。しかし、今回はそうはいくまい。

何せ大統領選挙から既に中ソの謀略で“ぼけ老人”を米国民は選出してしまった。弱い敵を選ばせるのも戦略の一つだ。そしてプーチンは前回それを確かめたのだ。

勿論北京五輪も有効に活用し、世界中の目をそらすことに成功したが、その間軍隊は着々と配備についていた。人工衛星の“目”も役に立たなかった。それはバイデンの思い込みによるのだろう。

プーチンにとっての問題は「きっかけ」であるが、ウクライナに住んでいる「同胞のロシア民族の危機」を掲げ、紛争仲裁、監視団という巧妙な手を使った。これに西欧は反論できまい。

大陸国」は、古来からこの手をよく使う。「海洋国」である日本や英国、それに米国はそれに気が付かない。

英国首相のチェンバレンが、ヒトラーの戦法を見誤ったのがその例だろう。

今回は‟老人である”バイデンがその手に乗った。

プーチンはTV会談でよほどの自信を持ったのだろう。ウクライナの首都を一気に目指したからだ。いくら強大な核兵器で防護していても、このような巧妙な戦術には無用であることが分かる。もとよりウクライナからは事前に“撤去”させていたから怖いものはない。

米ソ冷戦が終結してソ連が崩壊して以降、西側の戦略も油断からか崩壊していたのだ。緊張緩和で、すべてが緩んだのだ。

宮崎正弘氏は、今朝の「宮崎正弘の国際情勢解題」の冒頭に「ロシア軍はキエフへの進軍を開始した模様である。NATOが手を出さないことは百も承知、目に見える軍の動きに隠れて以前から潜入している工作員、第五列が通信インフラを切断し、政府の主要な機関にハッカー攻撃をかけ、ウクライナ政府の迅速な指揮系統を破壊した」と書いているが、日本国もいずれそうなるだろう。

今や日本の各所に「潜入員」が配備についている。“本国”の命令一下、直ちに行動する手はずは整っている。

杉並区長という極楽とんぼはこれを知っているのだろうか?知っていたとしたら‟確信犯”だ。

彼らには武器もある。更に「相手国たる日本人の男」は去勢されているから戦う意思はない。いずれ彼らには「絶好の機会」が訪れるだろう。

その時「議員もメディアも」右往左往するだけで誰も助けてはくれまい。孤軍奮闘するのは、自覚ある自衛官だけとなる。しかし人数に限度がある。OBを入れてもだ・・・

 

自国民を救出するという名目で、軍隊が侵攻する様子を、今回のロシアの戦法から日本国民は知らねばならない。

オミクロン“株”や‟株の暴落”に一喜一憂している場合だろうか?

今や「商農工士」ならぬ「士農工商」復活の時だろう。

 

プーチンは「ウクライナは単なる隣国ではなく、われわれの歴史、文化、精神的に切り離しがたい一部だ」と述べ、「ロシアとウクライナの国境はソ連共産党時代に引かれたものだ」と切って捨てた。

ならばこれに学んで、日本も北方領土を取り戻すべきじゃないか?

しかしないのが「軍事力」だし、何よりも政治家らにその決断が付かない。

今の日本の“政治”はお遊びに過ぎず、“性事家”はいても“政”を知る男はいない。せいぜい高市早苗氏くらいなものだろう。単なる”ローカルボス”の集合体に過ぎないのだ。

 

余談だが、私は「箝口令が解けた」退官以降、各地で講演し、「お人よし日本人よ、早く目を覚ませ!」と20年以上も説き続けてきた。しかし何の実力もない単なる「元戦闘機乗り」だったからかその効果は殆ど無かった。

今や単なる「ローカル元自衛官」に過ぎないから更に力はない。

 

しかし、今回の「ウクライナ戦争」に学び、目を覚まさなければ、本当に国土は蹂躙されるだろう。戦後育ちの我々は、国の大事に臨んで、愛する家族を“捨てて”自らの命を捧げられた多くの英霊方にさえ、見放されるかもしれない。

 

これは平成16(2004)年6月25日付の藤原正彦氏の「正論」であるが、もう一度精読してほしいと思う。そして日本人として「独立不羈と品格」を取り戻そうじゃないか!。

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