「小次郎、敗れたり。勝つ者が何ゆえに鞘を捨てるか」とは巌流島の決闘で武蔵が吐いた台詞であるとされる。
しかも「武蔵は試合当日、2時間以上も遅れて船島に来て」いるが、これは相手を苛立たせる心理作戦だったとも言われる。
ウクライナに「万全の体制」で侵入したロシア軍は、強固な現地軍とウクライナ市民らの抵抗に遭って、ロイターによるとロシア軍の死者は7000名を超えているという。
しかも、この戦いを引き起こした本人が住むロシア本国内では市民が「戦争反対」と街頭デモをすると武装警官隊が出動して鎮圧する。国内各地で反戦運動が拡がっているが、プーチン氏は自国民からさえも反対され、彼らを強固に取り締まっているのだ。
ということはバックからロシア軍に声援を送るはずの自国民からも「反軍活動」が起きているのであって、つまり前と後に「敵」を作っているようなものだ。
その上、世界中から金融を閉ざされ「デフォルト」となると、プーチン氏の面倒は誰が見るのだろう? 盟友?のシナか? しかし“次があるシナ”が、自分もこれと同様な目にあうことを恐れて、手をこまねくとしたら、プーチン氏は孤立する。「味方」からも見捨てられるのである。
まさか、だからと言って核のボタンを“持ち逃げ?”することはあるまいが、ロシアの体制は正常ではないから、発射されないという保証はない。そうさせないためには、傍にいる高級軍人らが、それを抑えねばならないが、”ギンギラギン”の服を着ている割には頼りなさそうだから期待できない。しかしそうしなければ第3次大戦勃発!になる。
今は「情報戦」の最中だが、既に決着がついたも同然だろう。ウクライナ政府は、実に巧妙な情報戦を展開し、国際的世論を取り付けた。元KGBの猛者も、太刀打ちできなかったようだ。周辺の“トリマキ”に当たり散らしているともいうから、「敗軍の将」そのままである。
さて、わが国はこれらの実例から何を学ぶべきか? テレビはやはり“観客”となりつつあり、ワイドショウ化してきた。動画も品切れ気味だ。
そんなところに、今朝の産経に「リーダーは国を守る気概を示せ」というコラムがでた。お馴染みの葛城奈海さんの「直球&曲球」欄である。日本人が今回の戦いに学ぶとすれば、ここだろう。
これには少し遅れたが「風を読む」欄の佐々木類論説副委員長のコラムもいい。
ウクライナ問題で“悩んで?”いる中国の実態を書いている。
ロシアは戦車でウクライナ国民を蹂躙した。
シナは外交官に対して卑怯な行為をして恥じない。
残念ながら、我が国はこんな“ならず者国家”に取り囲まれているのだということを改めて自覚せねばならない。
まず政治家が自覚する必要があるが、にもかかわらず国民もまた「四方の国(は)皆同胞(であろう)」と思い込んでいるのである。
これが国際社会の冷酷な現実なのであることを、日本国民はこの際‟篤と”学ばねばならない。