軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

防衛費財源論議で思ったこと

拙速だったかそうでないかは別にして、岸田総理が実行した「防衛費財源論議」で不思議に思うのは、「たばこ税」は取り上げたものの、遊興費の最たるものである「パチンコ、競輪、競馬」に対する論議はきかれなかったことだ。尤も自らの歳費を棚上げして国民に範を示すこともなかったから、パーティの収入を飲み食いに使って恥じない”先生”も出るのだろう・・・。

なんとなく薄暗いのはやはり「与党」が妨害しているからだろう、とはもっぱらの噂だ。つまり、統一教会問題で、浮き彫りになったのはまるで「コバンザメ」のように政権に食いついている「与党の存在」で、週刊誌が克明にこの問題を追及しているから、やがて「統一教会」と「創価学会」問題は、避けては通れなくなるに違いない。それを避けるために今回自民党に接近したのじゃないか?

近所の掲示板などに、掲げられているポスターには「前進!」などと恥ずかしげもなく書かれていて、「前進??後退じゃないの?」などと通行人から顰蹙を買っているが、党にとっては「前進」なのだろう。

「天網恢恢」の理論から言えば、統一教会問題よりもこの方がよほど社会に“害毒”をまき散らしているから、「疎にして漏らされない」だろう。

自民党政府が逃げ腰だから、国民は薄々?感じているから今後、週刊誌の健闘に期待したい。それにしても、ここまで諸悪の根源をあぶりだす「成果?」を挙げた安倍元総理狙撃犯は、なんとも微妙な立場になった。今後の「審判」の動きに注目しておきたいが、名古屋の警察署に見られるように拘置者を“処分?”するような官憲が未だに存在するのだから、国民は正義も信じられない。

考えてみれば「国防問題」だって、過去40年以上にわたり、国民に“丁寧に”解説することはほとんどなく、当時の防衛庁記者クラブで情報を与えられるメディア、それに“主導権を握って離さない”当時の大蔵省間の適度なやり取りだけで社会は動いていたのだから、矢面に立たされてきた「自衛隊」はもの言えば「シビリアンコントロールに抵触する」とメディアに取り上げられて、鳴かず飛ばずで悶々としてきた。やっと“退役”した自衛官が、声を上げ始めたが「無視」されるか、問題にされて二度と声を上げられなくなるのが実態だった。この間、何人の将官が“更迭”されたことだろう。

アメリカの大統領選挙で浮き彫りになっている「リベラルの横暴」は日本でも「メディア(第4権力)の横暴」として長年続いてきたが、最近は北がミサイルを発射するし、中国は台湾を攻めようとしているし、もとより日本本土もねらっているから、‟サボって”おれなくなったのだろう。それとも友好国の差し金か?

この40年間の「政府の怠慢」が浮き彫りになったのが、今回話題の「武力攻撃事態に至ったときの対処基本方針にかかわる国会承認などの手続(いわゆる武力攻撃事態対処法)だと言える。

 

その昔「有事立法」などと国中大騒ぎしたが、結局従わない地方自治体もいて、防衛庁は“やきもき”したものだが、とにかく「国防に対する緊張感」は当時の国民にも自治体にも“有難迷惑程度の存在”でしかなかった。だから自衛隊は「軍事訓練」よりも、民間業者に成り代わって、鶏や豚の死骸を始末させられ、若い隊員たちには不評であったが、それは今でも続いている。

防護服に身を固めて黙々と作業しているのは大かたが「自衛隊員たち」であるが、メディアは自治体職員らという。

そして今度は実際の戦闘に米軍とともに、祖国防衛訓練を実施するのだから、それが本来あるべき姿だとは言え、どこかに違和感が残る。

 

現実に起きているウクライナ戦争を、我事とらえる報道がないからだ。

ロシアは北朝鮮や中国にたとえられ、ウクライナは「日本国」と同様な立場にあること、したがって専守防衛」戦略が全く無意味であり、自粛させられてきた「武器輸出問題」が如何にナンセンスなものであったか、メディアは解説すべきだろう。

軍事に自信がないからか「専門家」、とりわけ防衛研究所の専門官に‟委託?”している有様だ。勿論それは間違いではない。しかし視聴者は専門家の”解説”を「よそ事」にとらえ易いから我事とは感じないのだ。今回の論議を見て、今まで「日本の防衛問題」が、いかにずさんだったか!と真面目な国民は気が付き、それに備えようという気持ちになったはずだ。

ウクライナが、ロシア国内にドローン攻撃をして、戦略爆撃機地に損害を与えた。つまり「反撃」をした。ロシアは相当慌てたに違いない

日本国では民事に有効活用されているドローンが、ここでは「有効な兵器」として反撃に活動している。武器の定義はどうした

昔外務省で「武器の定義」に関する課長会議に列席したが「戦略と戦術の違い」が分からないと質問された。ICBM(大陸間弾道弾)は飛翔距離で区別するのか、それとも弾頭の破壊力か?と真剣に質問されたので、飛距離が短いIRBMでも目標を首都にとれば「戦略的使用」となると答えると「それが分からない」というのである。

今でいえばウクライナの首都に撃ち込まれているミサイルは「これに当たる」し、ドローンも「戦略兵器」に相当するのだが、当時の官僚は「きちんと区分けされているものだ」という概念が強かったから、業を煮やした私は【今ここにビール瓶がある。これは清涼飲用水の容器だが、これを逆手に持ち殴ると「凶器」になる。常に白と黒に分けられるとは限らない。戦にはグレーゾーンというものがある」と当時幹部学校卒業したての3等空佐に過ぎなかったが、局長に講義したものだ。その後「グレーゾーン」という語が国連の会議では飛び交うようになったが。。。

 

昨今の日本の防衛論議を見聞きしていると、どこか“しっくり”来ないのは、やはり指導的立場にある方々が、理論上の軍事知識しか弄んでいなかったからだろう。

付け加えておきたいが、予算がついても現実的軍事力として性能が発揮されるまで(戦力化)には、早くて10年以上かかることを忘れてなるまい。パイロットは、1人前(飛ぶだけではなく戦闘行動がとれる)になるまでには軽く5年はかかるのである。

政府関係者や議員方は案外知らない方がほとんどじゃないかな~

しかし、戦力増強は緊要な課題になってきている。

次は装備をそろえて実戦化を急ぐことであろう。

 

届いた書籍のご紹介

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業捨は空海の癒し:保江邦夫・上原徹成共著:明窓出版¥1800+税

 

量子力学の専門家である保江先生と、弘法大師の法力で”業捨”を体得した独自の治療法を開発した上原氏との対話集である。「業捨」とは文字通り、業を捨てることであり、理論物理学者と”行者?”の話の内容は実に興味深い。

ところで今私は米国のCCTVの「ヒストリーチャンネル」に縁があり、未知の生物体に関心があるのだが、「古代の宇宙人」も非常に興味深く、徐々に話全体が物理学と古代神話、さらに古代宗教へとどんどん発展していくさまが実に面白いと思っている。

ヒストリーチャンネルの「スキン・ウォーカー牧場の超常現象」も、科学的探査を続けるものの、現代科学では解明出来ない不思議に遭遇していて、すでに相当な取材は終わっているはずだが、世間に出すのがはばかられているに思うのだが、やがて”認知された”UFOを含む超常現象の謎が解明されるとみている。そしてどれも「科学と宗教」に結びつくのだ。「統一教会」などが如何に食わせ物か!という点でも今の日本人は素直に観察する必要があると感じている。ぜひご一読あれ!