軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

「学はあってもバカはバカ」

届いていた書籍に目を通していたら、「学はあってもバカはバカ」という激越なタイトルが目に入ってきた。

作者の岩田温くんは、私がまだ元気なころに、講演会の終わりに有志の学生たちとともにアイスコーヒーを楽しんだ仲である。消極的な大人たちに未来はまさせられない、と悲憤していた頃だったから、10名ほど集まった学生たちと防衛問題を主に大いに語り合った。

彼はその後立派に成長して、政治学者になったが、なかなか意見を聞いてくれる者はいないようだ。大人は年がかさむと、体力的におっくうになるから正論から遠ざかるのだろう・・・。

この本の表紙には「過激な標語」が並んでいるが、本文は冒頭に「かくまでも 醜き国になりたれば 捧げし人の ただに惜しまる」という句が示すように、真剣な政治論であり、中身出しは「絶対に許さない」「怒りの声を聴け」「歴史はいかにあるべきか」「国家はフィクションなのか」「戦後アカデミズムの悲喜劇」「パスポートを捨てればいい」「研究より教育」「人間が国民になるとき」「靖国の誓い」とあるように至極真っ当で、「一部の目立ちたがり女性批判」の書ではない。

偶々「宮崎正弘の国際情勢解題」10月7日号に、「バイデン大統領は80歳、米上院は高齢者のあつまり。80歳以上が五人、70歳代が29人、60歳代が35人」という興味ある記事が出ていたが、米国の上院議員を党派別ではなく年代別で区分すると、

90歳=1人。80歳代=4人。70歳代=29人。60=35。50=23。40=7人。30歳代=2人という構成になるという。

つまり、「高齢化社会」を構成しているのだから、真面目な青年たちが不満を持つものも頷ける。

ある程度社会的地位を確立した「大人たち」は年少者を指導するのは当然だからである。

これから「私腹を肥やしてどうなる?」

 

私が松島基地司令だった頃、街の散髪屋のTVが「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」を詳細に報道していたが、鋏の手を休めたおかみさんが、「司令さん、この人達いい学校に入って勉強したのだろうに一体何を勉強していたのでしょうね」と慨嘆した。「これを高学歴無教養というのですよ」と茶化すのが精いっぱいだったが、この時以降、私は「高学歴を標榜する大人たち」に猜疑心を持つようになった。

一般的に「広報」を重用するものは、「芸人や有名人」らにころりとだまされやすい。背広を着た見ず知らずの青年に騙される「オレオレ詐欺」みたいなものだ。

今でも国会はいい稼ぎの場だと誤解?している議員がいるじゃないか。

 

いい加減な情報で食っている集団ならいざ知らず、少し関心があればその真相をかぎ取ることは大事であり、これからはこの手の「詐欺まがいの行為」は通用しまい。

ガザの戦闘準備が整ったイスラエルは、やがて本格的に進攻するだろうが、それを察知したハマス側は、定番の世論誘導作戦を開始したように思われる。つまり、地上波を使って、保守的な英米側を懐柔する作戦である。

今日のTVの中には、ガザ地区の困窮した状況をレポートする現地の女性陣が目立つようになり、イスラエル軍の「非人道的封鎖」をアピールしているが、すぐにモスクワににじり寄った日本の代議士さんだったら援助物資を抱えてガザに飛ぶかもしれないが今度はそうはいくまい。

この手のお色気作戦は日本の報道陣を除いて失敗するだろう。

バイデン政権が頼りないのは、後期高齢者が集まりすぎていることにもあろうが、いったん政権を取ったら変わらない「共産主義国」こそ恐ろしいところはなかろう。

 

太平洋の片隅に漂うこの国も、今後の推移を傍観できまいと思うのだが・・・

わが国には【バカは死ななきゃ治らない】という言葉があったか、さて・・・