軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

なんとも”無駄な人生”

 昭和50年に日本中を恐怖に陥れた「連続企業爆破事件」の犯人の一人である桐島聡が、末期がんで「最後は本名で迎えたかった」と言い残して一人「寂しく」死んでいったという。

 50年も逃亡生活を続けていたのだから、警察関係者はもとより、友人知人?それに家族も驚いたことだろう。

 今朝はそのニュースで持ち切りだが、私は人生について考えさせられた。つまり「人生の生き方」というものを!

 おそらく彼も一人の子供として生まれた時には、両親から「聡(さとし)」と名前を付けられて、将来を期待されていたのだろうが、どこでどう間違えたのか、「つけられた本名を隠して半世紀生き延びる道」に迷い込んでしまったようだ。誰がそうなることを知っていただろうか?また望んでいただろうか?

 小学校でも中学校でも、同級生や先生方にも見向きをされず?一人孤独だったのだろうか?そんなことはありえまい。友達はきっといたに違いない。そんな彼が「極悪非道」な道に迷い込んだ原因を調べる必要がある。

 そう考えていたら「主張」欄に「日教組は偏向指導やめよ」と、日教組大会の教師集会で神奈川県の中学教員が「福島原発事故」を取り上げて政府の対応について、一教員が生徒に意見を述べさせていた「政治的主張を教室に持ち込み、子供たちにおかしなことを教育」の実態について「おかしなことをしないでもらいたい」と「警告」していた。桐島もその”犠牲者”の一人ではなかったのか?

 私も以前横浜に住んでいたころ、息子たちの「人間性を無視した」教育に不安を覚えたことがあったが、その中で「敢然と日教組の指導に抵抗していた女性教師」を知ったがなんと彼女の夫は「防衛庁職員」であった。志操堅固なはずだと感心したものだ。

 彼女によれば、常識的な友人教師たちは声を上げることなく、授業が終わると世田谷など比較的近いところの塾でアルバイトしていると「こっそり」教えてくれた。左翼が強かった?神奈川らしいことだと実感したが、このころは左翼全盛?時代だった。

 おそらく桐島もそんな流れで「左翼にかぶれた」のだろう。このころは「左翼政党」が平然とソ連から資金を調達していたのだ。

 

 教育者の責任は重大である。私は戦闘機操縦教官として長かったから、自衛隊以外の教育はよく知らず、新聞情報程度だったが、おそらく知的にフレッシュな小学、中学時代の「教師」による影響は甚大で、真っ白な子供も達の頭の中に真っ赤な思想がしみこんでいってもおかしくない。 

 日教組はそれが「目当て」だったのだから、教育紛争は絶えなかったが、監督官庁もだらしがなかった。

 桐島の“出自”は知らないが、安保闘争で東大の門前で死亡した「樺美智子」の例を考えると多分その流れではないか?と思う。

 若い純真な学生たちを、自分のちっぽけな利己心満足のために犠牲にして、アカイ年寄り「教師たち」が陰で操るのだ。

 

 

 日教組大会では「特攻隊」についても教育しているという。

 

 「正当な戦史」に目を通すことなく、うわさやメディア評で書いた”無責任な”指導書も危険である。

 この特攻隊「平和教育」については、友人の戦史研究家久野潤・日本経済大教授が「検閲されたから一律に(特攻隊員が)本音を書けなかったわけではないのであって、より丁寧な指導が必要だ」と解説しているが、全くそのとおりである。明らかに”左翼教師”達は己に沿った「意図的回答」を求めているのだ。つまり本人を目立たせ満足させるための「左翼教育」なのである。

 下の切り抜きは、平成4年6月24日の記事の一部である。このころ「日本社会党ソ連に経済援助」を求めていたと報じられた。

 

  ところで本題に戻ろう。末期がんで人知れず?死去した「桐島聡」の件である。

 昨日の産経抄氏は彼に「どこに隠れ、何を考えてきたのか。」と”同情している?が、私も一人の「人間」として生まれた彼が、50年以上も「どこで何を考えて“生きて”いたのか?」と、折角の人生を無駄に生きた彼を哀れに思う。

 人知れず、腐った「空気」を吸って生きていたのかしらん?少なくとも「お天道様」の影をこそこそと生き延びていたのだろう。期待を込めて「聡」と命名した親が知ったら何と思うだろうか?

 もとより”犠牲者たち”も浮かばれない。これほどの親不孝はあろうか?

アカイメディアに誘われて、若い人生を無駄にしてはいけないのだ。今も危険はいっぱいである!

 

届いた書籍のご紹介

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Hanada 3月号

世の中のトピックスに鋭いhanadaだけあって、読む文章が多い。「ブログ」と連動するように「赤いネットワークが政府に潜り込んでいる」は日本人の必読の書だろう。

WILL 3月号

いつことながら、飯山陽、谷本真由美女史の一文は面白い。「人の不幸…」で食っていける連中は男じゃない!と名前を見たらやはりそうだった!そうか、男女区別なし!か。「裏金の使途?」遅いよ。過去の件が明らかになる一冊。「お庭番が明かす田中角栄の真実」も面白いが、元秘書というのがまた面白い。「元記者」は出ないのかな~

ご時世柄なかなか面白く読める。