軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

忘れていた座右の銘「自明の理を疑うこと」

「戦前の日本人はなんと(国家安全保障の)意識が高かった」のかと驚く。「武力戦」と「秘密戦」があり、戦争の入り口は『情報戦』から始まる】

 

この書き出しは「宮崎正弘の国際通信解題」から引用したものだが、かって昔のTV番組で同席した神谷宗幣氏(現参政党党首)の『情報戦の教科書』青林堂)を紹介したものである。

 残念ながら本はまだ入手していないが、近く購入しようと思っている。いや本当は議員諸侯にまず読んでほしいのだが、おそらく無理だろう。無関心だろうし、現に今は忙しそうだから…

 今世界中で起きている現象から推察されることは、世界の主要国は、次の時代の「先取り」を競っているのであり、事によっては「強国であった米国による戦後体制」の崩壊が始まっていると言える。各国がその「地面取」に躍起になっている時に、反保守派のメディアなどから仕掛けられた「策動」に、まんまと引っかかって、日本の政界は右往左往。事務作業は「役所」に一任という体たらくだ。       

 連日「能登半島普及作業」と「パーティ券の横流し情報」にひき釣り回されていていいのだろうか?と老婆心ながら心配になる。

 

 紛争地帯の「代表格」であったウクライナでは、ゼレンスキー大統領があろうことか「この時期に」総司令官を交代させた。ウクライナも「総選挙が近い」のだろうか??

 ハマスというテロリスト集団から戦争を仕掛けられたイスラエルでは、ネタニヤフ首相が強硬な反撃姿勢を崩していない。

 それはそうだろう。ネタニヤフ氏にとっては彼らに「寝首を掻かれた」も同然だったのだから、徹底的にテロリストたちを排除すると宣言していたではないか。予定が狂って困るのは、どちらの方だ?。

 プーチンにとっては「渡りに船」だから、イスラエルを支援する側の抵抗力を削ぐために邁進するだろう。彼も(形だけとはいえ)「総選挙」が迫っているのだから。

 こう見てくると、やはり「老齢で記憶力が減退した」大統領を選んだ米国民の責任は非常に重かろう。しかも総選挙は始まっていないのだから、さらに気が滅入る。

「老齢で記憶力が減退した」と言えば、老齢ではないにしても?我が国の「大臣様たち」の醜態はどうしたものか?

 こんな、記憶が途切れる方々に「国の安全保障が一任されている」ことは憂慮に絶えない。

 そこで私には神谷宗幣氏(現参政党党首)の『情報戦の教科書』をご一読願いたいのだが、おそらく‟絶対に”無理だろう。

 大東亜戦争のころもそうだった。私は神谷氏の本のことを知ったので、当時TVで彼と対談したころの原稿に目を通してみたのだが、当時の役所もまた「全くと言っていいほど」軍事情報には無縁だった。当然だったとはいえ、軍情報部が活躍していたのだが、ダメなものの最たるものが外務省で、国民はその犠牲者だ、と言っても過言ではなかった。それが許されたのは、「犠牲になった」軍人たちが、処罰され、処刑されて、世間から消えたからである。 

 だから戦後は一切の責任を旧軍人たちとGHQに押し付けて、”当事者たち”はぬくぬくと生き延びた?と言えるだろう。

 

 今朝の産経新聞3面下段に、【安倍晋三の黙示録としての「要説・吉田茂という病】という本の広告がでていたが、著者の杉原誠四郎氏は会合などでご一緒したことがあったが、書き出しに「吉田茂は大宰相だという評価は、保守の間で岩盤のように固まっている。これを切り崩すことは容易なことではない。が、これを実現しなければ、日本の未来はない。】とある。

 漸くこのような本が出るようになってきたか!と退官後数年間、靖国会館で講演していた頃を思い出して昔日の感を禁じ得ない。

 

 これからはインターネット社会である。組織的な「フェイクニュース」に惑わされることなく、真相を確かめ得る時代が来たのだ!と感じる。

 私の座右の銘には【自明の理を疑え!】というものがあった。

 連日「国会の体たらく!とそれをあおるメディア」の姿を見さされている身としては、報道にみるものがなく「古代の宇宙人」「英国ミステリー」「ディスカバリー」「ナショジオ」が中心で、日本のTV局の作品は遠慮していたから「自明の理を疑う」ことを忘れていた。

 私事だが、このころの講演記録を読むと、神谷宗幣氏と共演していた頃が懐かしく思い出される。

 自分自身が「自明の理」を疑えと講演していた「似非情報」に、今や「騙されかかっていた」のだということを。