軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

 徴兵制に向かい始めた「アジアの国々」

 今朝の産経抄に、「有事に戦うか?」という設問のことが出ていた。すでに保守系の雑誌に出ていたものだが、今の我が国の青年たちは13・2%に満たないというのである。

 私は昔から「ポアソン分布」(「滅多に起こらない出来事が任意の時間当たりに起こる回数」のこと)を信じていて、物事の調査に対して「絶対賛成者」と「絶対反対者」がそれぞれ10%くらいになるからその両端を削除して、その残りの80%の数値の増減(ピーク)を見ることを基準としてきた。つまりピークが60%か50%の位置を占めていれば、世論の趨勢は60%、50%程度になるとするものである。

 「自衛隊の支持率」などは、賛成は少なく反対が多いのは当たり前だが、残りの分布位置(ピーク)が60%にあるか、40%にあるかで「国民の支持率」がほぼ推定できるからである。

 私は常に「自衛隊憲法違反だ」と反対を叫ばれ続けていた防大生だったから、13%もあればうれしいじゃないか?」と思ってしまう。当時も戦争に関するこれと同じような世論調査があって、そのころの大企業主が「国外に家族とともに脱出する」と答えていたから、怒り心頭に発してその社の「製品」には手を付けなかったほどだったが、今の世代ではそれほどでもあるまい。

 私が「防大を志願した」のは、福岡市の中学時代に、当時の韓国が福岡漁民を射殺したり、漁船を拿捕していたことに反発し、「軍隊のない国の悲哀」を感じていた処に尊敬する先輩が入校を勧めてくれたからである。防大に航空工学科があったからでもあった…

 当時は「自衛隊」という‟まがい物”が出来たころで、「またまた落ちた自衛隊機」「蚊取り線香マークの自衛隊機」などと、墜落した自衛隊機が揶揄されていた頃であり、だから自然の成り行きで「俺が戦闘機に乗って漁船を守ってやる!」と決意したのであった。

 そのころ「漁労長の父」が拿捕されて韓国に拉致され、残された幼い姉妹が助け合っている事が新聞に出ていたのが直接の契機でもあったが、今でいうならば「恵さん事件」のようなものだろう。

 だから防大に入校して、その後「“有名人”になった○○三郎」などから、『防大生は我々の世代の恥辱だ!』などと蔑まれたものだが、「今に見ていろ!」と血気盛んだった。

 あれから半世紀以上たった今、全く変わらない自衛隊の存在を見るにつけ、「国会議員にでもなっていた方がよかった…」と反省にも似た感情がわくのは、パーティに参加して一儲けしたくなったからかもしれない!(笑い)

 朝日デジタル」によれば、【ロシアのプーチン大統領は31日、15万人規模の徴兵を実施する大統領令に署名した。ロシア大統領府が発表した。年2回の定期的な徴兵で、ロシア国防省は、ウクライナ侵攻には派遣しない、としている。】という。

 それに対して「SNS等で「‟やばい”などとロシアの青年たちが反対している」らしいから、多分「今回から対象の最高年齢を27歳から30歳に引き上げており、手薄になったロシア国内の部隊に配置されるほか、戦線への参加を志願する契約兵の拡大や将来の追加動員をにらんだ措置とみられる」という朝日の推測は当たっているだろう。

 徴兵制で物議をかもしているのは、ミャンマーもフィリピンも同じらしい。

 記事によると、【フィリピン大統領府は3月31日、中国との領有権争いが激しい南シナ海を巡り、マルコス大統領が海上防衛力を強化する大統領令に署名したと発表した】という。

 昨日のTVで、フィリピン政府側の補給船が中国海警局の船から「大量の放水」を受けて妨害される事案が発生したが、【大統領令で「(フィリピンは)領土の一体性だけでなく、国民の平和的生存を脅かすさまざまな深刻な課題に直面している」と危機感を表明。「国家沿岸監視評議会」の司令塔機能を強化するのだろう。

 我が国周辺海域では、台湾のみならず、東南アジアやフィリピンにも危険な兆候が見え始めた。

 リハビリだけが“仕事”になっている私も、再度防大を志願して青春時代を取り戻してみるとするか!!