軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

ハリウッドが「南京事件」映画制作

数日前から私のブログやメールに、クリント・イーストウッドが,中国の資金で「南京事件」の映画を作る、という危機感溢れるメッセージが入っていたが、今朝の産経抄は、「来年は事件から70年。これを機に「大虐殺」を史実として広めようと中国や在米華人団体が精力的に活動を展開した成果なのだろうか」と書いた。しかし、「歴史的検証に堪えうる証拠や資料が少なく、犠牲者30万人というとんでもない説から、まぼろし説まであるこの事件がどんなふうに脚色されるのか正直、不安はぬぐえない。製作は既に決定済みというなら、せめて最新の議論をよく取材した上で作って欲しい」と懸念を示したが、私も同感である。
現在、中国が最も重視している戦略は、日米間の離間を促進することである。北朝鮮との「連携」も、資源獲得を兼ねて米国に恩を売る戦略であり、同時に日本の孤立化を狙うものである。小泉首相靖国問題で「毅然」としており、「政冷」は改善される兆しがないが、かといって小泉首相が「開けて待っている扉」をくぐって会いに来るだけの度量はさらさらない。そこで「小泉以後」を狙って工作すべく、親中派の元首相や政治家たち、文化人、経済人に北京に来るように声をかけたが、今のところそれに応じる日本人はいないようである。今、呼びかけに応じてのこのこと出かけて行ったら、それこそ日本国民から顰蹙を買い、「国賊扱い」されてその後の立場が悪くなるからであろう。
ところが現状をよく観察すると、中国にとっては日米離間のための「絶好の条件」が整いつつある。そこで日米間に相互に不信感を植え付ける「工作」が開始される。
聊か「考えすぎの仮説」を立てるとすると、日本人に「反米」の雰囲気を醸成する作戦としては、米軍の若い水兵たちが、横須賀や佐世保、沖縄で不祥事を引き起こした事件を利用する。殺人事件では、在日米海軍司令官自ら通夜に出席して「謝罪」した。軍服姿は絵になるから、テレビで大きく報道された。そこに「BSE」問題が降って湧いた。日本人の関心は、中国からの輸入食品の恐るべき「不衛生問題」から、米国の「ずさんな食品管理」の方に向いたから、「反米感情」を高める絶好のチャンスが到来した!
他方米軍再編をめぐる、基地問題は一向に進展せず、米国側はイライラを隠せない。株式市場も「ホリエモン事件」で日本の信用が一気に落ちつつある。
「守ってやっている」米軍人の不祥事で、海軍提督にまで「謝罪」要求し、普天間基地移設問題では、同盟軍らしからぬ非協力的態度が10年も続いているのに、日本政府も沖縄県も一向に真剣に取り組まない!こんな連中を「守ってやる必要があるのか?中国の方が今後アジアの大国になるのは明白、中国と手を結ぶべきではないのか?」
そこに「クリント・イーストウッドの残虐極まりない映画」が登場する。2008年、世界中から北京オリンピックに集まった報道陣に「抗日記念館」を取材させ、日本人の「残虐性」を強調する作戦はピークを迎える。
仮に中国がそんな戦略に基づいているとすれば、これからますます日米間には思いがけない「トラブル」が続くであろう。類似例としてアイリスチャンの「レイプ・オブ・南京」がある。BSE問題で禁止されている「背骨」が、検疫の抜き取り検査であんなに簡単にばれたのは何故か?誰の仕業か?
普天間基地反対運動を「裏で」取り仕切っているのは一体誰なのか?那覇空港には上海からの直行便が入っている!疑い出せばきりがないが、もちろんこれは私の「妄想」である。しかし、支那事変勃発時の「コミンテルンの動き」にそっくりであり、盧溝橋事件で、国民党軍と日本軍の双方に発砲したやり方に酷似しているのが気にかかる。その結果、日米は想定外の「開戦」に踏み切った。喜んだのはコミンテルン中共であった・・・
クリント・イーストウッド「監督」に言っておきたい。私が好きな「事実を追求する」ハリウッドのA級映画らしく、日本で多いに出まわっている事件関連の書籍はじめ、関係者に対する入念な取材を求めたい。日本人と中国人は、外見は似ているが、その文化は全く異なっていることにも注目してもらいたい。中国各地では、犬どころか今でも美容と健康のために「胎児を食い」、死刑囚の臓器販売を専門にしているグループがあることは知られている。日本のマスコミでは取り上げられてはいないが、ブログやHPでは非常に多く取り上げられているから、ぜひ覗いてもらいたい。真っ当な人間ならば、きっと気分が悪くなるだろう。
また、第2次大戦終了後も、日本国内には「駐留軍」「同盟軍」として多くの米軍人とその家族達が居住して来た。是非、その体験がある彼ら彼女らから、日本人の性格、日本社会の実情を聴取して、この「事件」の信憑性を追及して欲しい。
1930年当時は「戦時下」にあった。仮に戦時下であっても、日本兵が「老婆の太ももの肉で餃子を作って食う」ような人種であるかないか、一目瞭然であろう。
しかも南京攻略直前に起きた通州事件では、中国保安隊によって一夜にして250人以上もの日本人婦女子が残虐無比に殺された。その報道に接した多くの日本人は怒り心頭に達していた。是非この通州事件を、この映画の「イントロ」で紹介して欲しい。
外務省はじめ、日本の各界は、日米友好の観点からも、事実に悖る「でたらめ映画」を製作して、ハリウッド映画の歴史に大きな汚点を残す事のないよう、しっかりクリント・イーストウッド監督にアドヴァイスしてやって欲しいと思う。