軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

船長不在の難破船

民主党のTV宣伝に、難破しかかった船上で鳩山・小沢・菅の三氏が手を取り合って嵐を乗り切る?というものがあったことを覚えておられる方も多かろう。

私はいつもこれを見て「この党の実情をよく表したコマーシャルだ。おそらくこれを作ったディレクターは逸材で、相当な皮肉を込めている」と思ったものである。
撮影中に“役者?”の一人がけがをしたというから、この船は沈没する運命にあった!


それがここにきて現実味を帯びだした。産経抄は「レッドカードが付きつけられている」と書いたが、ルールを無視する、というか自分勝手にルールを作る“選手たち”なのだから、このチームにレッドカードは無効である。
枝野長官は「民主主義のルールに基づき首相は職責を与えられた。内閣はその職責を果たしていくことに全力をあげるのがまさに筋だ」と会見で語ったという。
彼らの言う「民主主義のルール」とは、自分に都合の良いもの以外は適用しないというルールである。支持率が低下し始めたころ、菅首相は「たとえ支持率が1%になってもやめない」といったがこれは本音。
このころはマスコミ初め、政治評論家御一行様たちも“悪い冗談”だと受け止めて、気にもしなかったはずだ。

しかし、この国難の折、それが実証されつつある。民主主義のルールを順守して?コロコロこれまた自分勝手に首相の首を取り換えてきた旧保守党も、ここまでは「想定」出来なかったに違いない。


開発途上国であれば今頃反政府活動が一気に拡大し、ムバラク大統領やカダフィー大佐がつるし上げられるのと同様な事態になるのだが、“先進国”たる日本ではそんなことにはなりえない。なぜか?
国民がすでに去勢されてしまったからか、それとも“神の国”の国民だからか、私にはわからない…


報道を見る限りにおいては、今や国民は政府を信じていないし、政府もトウの昔から献金してくれる≪外資系市民≫は重視するが、日本国民なんぞ気にはしていなかった。今回も非現実的「机上の空論」をもてあそび、言葉遊びにうつつを抜かし、挙句の果てに責任転嫁するのだから、国民は信用するはずがない。
例えば原発を中心に、風向きに関係なく同心円を描いて「この範囲から退去せよ」といったところで、自宅が20km地点の中なのか外なのか住民にはわかるはずはないし、自宅が圏外だったにしても20・1kmであればOKなのかどうか、更に人間は退去できても50頭もの牛や生き物はどうするのか?
そんなこと「元ゲバ学生たち」には想定外のこと、彼らは「それは県がやれ、市町村がやれ」と逃げるだろうことはすでに想定されていたのである。


なんともはや、連日原子力という最先端科学技術を取扱うにふさわしくない方々の“暴論”を聞いていて、今、やたらに表に出て無責任発言?をしているこの方々は「文科系出身者じゃないか?」と先日の講演でいったところ大笑いになったが、その後そうだったことを知って言葉もなかった。
今朝の産経「正論」欄に、現代史家の秦氏が「中軸になる経産相原子力安全・保安院長―東電社長・会長をはじめ、主役の6人全員が文系の『アマチュア』とわかった」と書いている。私の勘は当たっていたのである。秦氏の説が正しいとすれば…

だから情報が混乱し、正確さに欠け、時間ばかりを浪費し、だれも責任をとることができない…


現役時代、演習中に久留米市上空を西に向けて進出中だったF−1戦闘機の1機が操縦不能という重大な事態に陥ったことがあった。パイロットは懸命にリカバリーしようとするが失速警報灯が点灯し警報音は鳴りやまず操縦不能になっていて、騒然としている指揮所にパイロットではない指揮官が入ってきて「どうしたの?」と聞いた時の幕僚一同の失望感は今でも忘れられない。

その後雲から出た当該機は目視飛行で基地に帰り無事危機を脱出したのだが、パイロットでない指揮官に空中での事態が呑み込めないのは仕方ないとしても、緊急事態には全く役に立たないことが証明されたのである。
もっとも本人が悪いのではなく、そんな人事を発令した組織がおかしいのだが、飛行部隊の指揮は「アマチュア」には危険だと、部下一同は再認識したものであった。今のわが国の状況はそれによく似ていて、民主党のPRビデオにかこつければ、今やわが国は「船長不在の難破船」状態だといえる。


ところで震災後1か月たった。今朝の産経記事から気になるニュースを3つ画像で紹介しておこう。
まずはじめに「3宗教合同で復興慰霊祭」という記事である。
鎌倉の鶴岡八幡宮神道、仏教、キリスト教の3宗教合同の「追善供養復興祈願祭」が宗派を超えて行われたというものである。

おそらくこのような行事が可能なのは「日本以外にはあり得まい」と思う。しかし、これこそが人類の進むべき真の道を追及する姿であり、未来の「宗教」のあり方を映し出しているのじゃないか?と私は思う。

≪産経から≫

次は、歴史的に日本とゆかりの深い北マリアナ諸島のロタ島が、震災被災者を受け入れる計画をしているという記事である。
「今恩を返す時」という島民の心根に感激する。これもわがご先祖様たちの善行の結果であろう。
それに比べて7面右下の「中国のネットで不評」という囲み記事は、「菅首相の名前で人民日報などに寄せた感謝のメッセージ」には「海外の友人たち」「国際社会からの支援」といった表現はあるものの、「感謝される対象として『中国』の2文字が見当たらず、中国をバカにしているのでは」といった反発が起きている」というのだが、感謝の押し売りを強要するこの国の姿を国際社会はどう見るか?ロタ島以下の経済大国とでもいうべきか?


この記事の隣に、岩手県宮古市の魚市場で11日午後、震災後初めてのせりが行われたという記事がある。スケソウダラなど50トンが水揚げされたそうで、水産業に明るい期待が感じられる。一刻も早く元気を取り戻してほしいものである。
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