軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

息苦しいのは”猛暑”のせいだけじゃない!

このところ、茹だるような暑さに行動力が少し萎えていた。今年はセミの孵化も遅く、異常気象続きで何かしらの不安感がぬぐえなかったが、豪雨化は通例になった感があるが、それに加えて地震、それに桜島の噴火が加わった。欧州や米国では熱波襲来で山林火災も頻発、フィリピンでも大地震が起きた。天の乱れは人心の乱れからくる、と昔神官に教わったことがあったが、まさにその通りだと痛感する。今以上の人心の乱れは過去にはなかっただろう。

 

わが国でも、政官界の乱れは言うに及ばず、教育会も医学会も、加えてスポーツ界まで乱れ切っている。日本人という“民族”が“異民族化”したのかもしれない。

あまりにも「記事ネタ」が多いので、新聞紙面もほとんどこれらのスキャンダルに覆われているから息苦しくなる。マスクのせいだけではないようだ。

あれだけ物議をかもした東京五輪も、「電通出身」の理事らと、一儲けをたくらんだ洋服屋が「道に外れた行為」をしていたことが明らかになったが、これなんぞ氷山の一角にすぎまい。

日大の理事長といい、今回の五輪といい、どうしてこんな「輩」が組織の上に立つのだろう?人事に詳しい方々の意見が聞きたいものだ。

新興宗教」も異常だ。もともと半島生まれのイカサマ臭い組織だったのだが、すぐ政治家がそれに組して社会に害毒を垂れ流す。禁止する規則がないというのも不思議だが、これもやはり「新憲法」による弊害か?じゃ、憲法を取り消せばいいのに…

 

そんな息苦しい(コロナ禍だけではなく)記事が氾濫する中に、ほっとするエッセイがあった。

80歳の作者の素直な心が現れている。

…黙々と働いておられる姿を奥様や子供さんに見せてあげたい。家では見られないお父さんの姿を見てあげてほしい。何かを感じるだろうな…

 昔、基地司令時代に部下たちの御夫人方による「職場見学」を実施したことを思い出した。翌日「御主人」が「夕食に一本つきました!」と笑顔で語っていたが・・・

福沢諭吉は「天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず」と説いた。「学問ノススメ」の最初に書いたのだから「学問の重要さ」を説いたのだが、それは広く現在にもまったく当てはまる普遍的な考え方だと言えるだろう。しかし、学問とは別に「ノーパンしゃぶしゃぶ」に励んだエリートもいたが・・・

以前「職業に貴賤はない」という言葉を取り上げたことがあったが、この作者の心にはそれが見えてくる。文中に出てくる「若い大工さん」は、「実業」に携わる若者の姿が活写されている。それに比べて「虚業」にうつつを抜かし、虚業の最たるものである政治?の世界に飛び込んで、分不相応に当選したものの、不真面目な“字=虚名”で通し、かつ外国から参加する、などという輩が出てきた。国会とはまるで「幼稚園の学芸会」ではないか!そこまで日本の政治は堕落したのかと思う。しかもそれさえ「取り締まれない」というからまさに「漫画の世界」だ。

話は変わるが、14年前に秋葉原で集団殺人をした男に死刑が執行されたという。こんな「非人」を14年間も生かしておいたのはなぜだ?被害者の人権は無きに等しいが、加害者は14年間も「国費」で生き延びさせる価値があるとでもいうのか?まさに「放置国家」である。

言い出せばきりがないが、それもこれも「政治がまっとうに機能していない証拠」だと言えるのではないか?

 

ところで私が顧問を勤めていた「兵法研究会」で、家村会長が「陰謀と戦争の人類史」についての講座を開くという。彼は言う。

【人類の歴史は、陰謀と戦争の歴史です。万物の霊長として神聖にして博愛に富むべき人類の理念を捻じ曲げ、人々から自由と平等を奪い、歴史を塗り替えてきた陰謀、そしてその陰謀によって引き起こされてきた数々の戦争がありました。本講座では「陰謀と戦争」を主軸に古代から現代まで人類史の実相を究明し、故意に消された真実の歴史を見つめながら、地球と人類の平和について考察いたします。8月の講座では、地球上で最初にできた陸地である日本列島とこれを雛形としてできた世界大陸をそれぞれの地理的特性から比較するとともに、日本と世界が相似地形を形成している理由と、そこに秘められた人類へのメッセージなどについて、『古事記』『日本書紀』やそれ以前に記された古文書を紐解きながら解説いたします】

われわれ日本人は、今一度わが国古来の歴史(のみならず近代歴史も)と伝統、文化、習慣、しきたり、人々の付き合い方などについて、立ち止まって考察してみる必要があるのではないか?新聞には、あまりにも不合理で怪しい話が連日溢れかえっていて読者は悪に「不感症」になっている気がする。そして、あまりにも身勝手すぎて、自らの首を絞めているように思えてならない。蝉の声に励まされて「反省の記」を書いてみた。

 

届いた書籍のご紹介

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「WILL」、「HANADA」が軌を一にした安倍首相追悼特集号を出している。それぞれの執筆者が安倍元総理に哀悼の意を表するとともに、その業績を称え、テロへの憎しみを述べている。ただ、死が唐突だったからか、わが国の歴史などと比べた歴史考察を踏まえた評論はみあたらない。

「安江邦夫・小林政学共著:明窓出版¥2000+税」

安江先生の近著である。帯にあるように「新しい医療の可能性を理論物理学者とともに探求している」体と心の合体が、今一番要求されている時ではないか?

右往左往している厚労省のコロナ対策を見ているとそう考えさせられる。

「国家理性及び国体について・小堀桂一郎著:明成社¥2000+税」

「苛烈なる現代の国際社会における安全保障の最大の条件は、国際関係の法的秩序が常に公正に維持されてあるということ」であるが、わが国の外交は、他国は「当然法的秩序は維持されている(はずだ)」言う前提に立って進めているのじゃないか?

今回のロシアのウクライナ侵攻を見て、70年前に我が国が被った満州樺太北方領土に対する無謀な侵略行為を、ほとんどの日本人が忘れてしまっている気がしてならない。

その秩序を安定した形で保持すべき要因は端的に武力・軍事力以外にない」と先生は喝破している。将来を担う学徒にぜひご一読願いたいと思う。