昨日午後は、史料調査会の恒例研究会で水交会に出かけた。講師は前コンゴ大使の高倍宣義氏で、演題は「中部アフリカの紛争と国際協力」であった。アフリカは遠い存在で、なかなか実情を知る機会に恵まれないのだが、約2時間もの講義で概要を理解することが出来た。
冷戦が終わりソ連の撤退が始まると、アフリカ各国はすぐに「ソ連の看板」をはずしたが、武器はソ連製だからなかなか脱却できないのだろう。不足したパーツの補完は「北朝鮮」がやっているというからあの国も“したたか”である。元気を取り戻したロシアも、戦闘機や戦車を売り込み始めたというから、今後も紛争は絶えないと思う。
中国は武器もさることながら、以前から「人間」を送り込んでいて、鉄道、パイプライン、ダム建設などに進出しているという。とにかくあの国は人口過大で困っているから、今では政府が国民の国外進出を推奨しているのである。アフリカの地図しか知らない私としては「かっての宗主国間で勝手に引いたに過ぎない国境線」にアフリカ人が従うはずはない、と考えていたのだが、やはりそのようで、国境線は今でも“植民地時代の名残”らしい。部族単位で行動するアフリカでは、国境線はあって無きが如し、国家意識も乏しいという。
そんな中での「日本の役割は?」という質問に講師は口ごもっていたが、欧米諸国は今でも自分のテリトリーだと考えていて、日本がODAを出すことを不思議に思って質問してきた外交官がいた、という話には考えさせられた。混乱を極めるこの地に「いかにして平和を築くか」という命題には、軍事力軽視の今の日本には限界がある。
21世紀、資源戦争はますます激化するだろう。そんな将来を考えると、外務省発行のパンフレットのデザインを見て私は「ハッ」としたのだが、外務省のパンフ製作担当者は単純に面積を比較するためにデザインしたのだろうから、私が何を気にしたかは分からないだろう。読者諸賢はこのアフリカ図をご覧になっていかがなものか?

帰路、新宿で買い物をしたついでに、代々木の共産党本部を見ると、屋上に翩翻と「赤旗(コミンテルン旗)」が翻っていた。自民党本部には「日の丸」が掲げられていた筈だが、民主党本部には何が掲げられているのだろう?と考えた。勿論社民党本部に日の丸が掲揚されているはずはない。代々木に「日の丸」が翻ったら、少しは考慮してもいいと思うのだが・・・。
ついでだが、新宿駅南口のJR東日本本社玄関口には日の丸が掲げられていた。変われば変わるものである・・・
帰宅すると、別行動で渋谷を経由した家内が、渋谷駅近辺恒例の「街頭演説」で面白いことがあった、と報告した。維新政党?の若い候補者が中国問題などについて、日本はもっと毅然たる外交をすべきだ、と演説していたところ、中国人が「日本人の人殺し野郎!」とか何とか野次を飛ばしたらしい。中国語が分かる候補者は「中国人だな、人殺しとは何事だ。意見があるのならここに来て意見を言ったらどうだ」と切り替えしたらしいが、中国人は罵るだけで壇上に上がらなかったから、候補者は「中国人にはかまっていられない」と自分の信念を披露したらしい。
周辺にたむろする日本人はただ「ボケー」と聴いているのかどうか分からない様子で情けなかった、と家内は言ったのだが、これを聞いた私は「外国人がついにそこまで“堂々と”干渉し始めたか!」と暗然とした。
先日、帰国される台湾の李登輝前総統が成田空港で中国人から「ペットボトル」を投げつけられるという事件があったのは記憶に新しい。
その昔、1909年にハルピンで伊藤博文首相が暗殺され、1931年に重光葵駐支公使が上海で爆弾を投げつけられて片足を失った事件を思い出した。あれは「外地」であったから、起きるべくしておきた事件だったといわれても仕方ないが、この2例は明らかに「わが国内」であり、「わが領土内」の出来事である。仮に北京で上海空港で、日本人が同様な行動をとったらどうであろうか?
「正論」6月号に私は進行している間接侵略の危機を書いたが、その最後の砦とも言うべき国家治安機関は、最近総崩れ?状態にある。今朝の産経新聞一面トップには、海上自衛隊の秘密漏洩事件で、秘密情報を「多数が違反所時」しているズサンさが取り上げられていた。警察は愛知県警や町田人質事件の対応振りを見れば一目瞭然である。その上国家情報機関のトップとも言うべき公安調査庁長官のあの体たらくである。
在日中国人などが、街頭演説で「野次」を飛ばすことぐらい・・・、と読者は考えるかもしれないが、異国人たる彼らが、それほどわが国内で「自由な活動」をしている証拠であり、それが参院選直前に表面化してきたことが気にかかる。今、安倍政権は四面楚歌、とにかく「憲法改正」「集団的自衛権問題」が進められては、絶対に困る勢力が、死に物狂いで抵抗しているのである。
国内に潜伏するのは何もテロリスト達だけではない。私立大学に限らないが、留学生の内訳表を調べてみるがよい。50%以上が外国留学生で占められていて、情報漏えいなどという次元ではなくなってきつつある。つまり有事には戦闘力となりうる「戦闘分子」が各地に展開中と考えられるのである。仮に彼らが一斉蜂起したらこの虚弱な「平和国家」に育った青年達では対処できまい・・・
産経新聞(30面)によれば、かの有名なニュートンが、旧約聖書を解読した結果「2060年に世界が終わる」と予言していたという。「その後に世界の終わりが来るかもしれないが、それ以前に終わる理由は見出せない」としているというが、私は2060年には120歳だからまず生存してはいないから「世界の終わり」をこの目で見られないのは幸せ?である。その頃生きている人たちに是非頑張ってほしいと思うだけである。
今夜はチャンネル桜の収録で再び都心に出かける。「闘論・倒論・討論」2007「日中もし戦わば」という命題だが、さて、何を語るべきか・・・。
参加者は若手評論家の井上和彦、潮匡人、北村淳、先輩の松村劭元陸将補、川村純彦元海将補、それに私、司会は水島総氏で、放映は明日23日土曜日夜の21時から24時まで、スカイパーフェクトテレビ「ハッピー241」(チャンネル241)である。ご紹介まで