軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ある軍人の述懐

最近特にご高齢な方々との交流が盛んになり、私ごとき退官10年の空自OBが、いかに青二才であるかを思い知らされている。旧陸軍特務機関員として大陸情報を手がけていた門脇翁は93歳でまだ“現役”である。 先月は、雑誌「正論」を読まれたある大先輩から呼び…

浄化作用が遅れている?

最近のニュースは一体どうしたことか。昨日の産経新聞の31面社会欄(いわゆる3面記事)にはあきれ果てる。 「動揺・困惑」の見出しは、食肉偽装問題で社員を解雇した「ミートホープ」問題。その下もミートホープ関連記事で「家族で報酬1億3000万」。…

海軍予備学生増加採用の経緯(その2)

(承前) そこで私は、ある日当時軍令部が要望していた将来の航空部隊編成計画案について、今手持ちの搭乗員と、その将来における増加予想数とを綿密に調べてみると、そこには重大な欠陥があることに気づいたのでありました。 それは搭乗員は全般に不足するこ…

海軍予備学生増加採用の経緯(その1)

昨日、元海軍飛行予備学生13期のゼロ戦パイロット・小澤甚一郎氏から丁寧な手紙と資料が届いた。84歳におなりになる小澤氏が、蔵書を母校の岩手大工学部に寄贈しようと整理していた時に、海軍飛行予備学生遺族会誌「白鴎通信集刷」の中に寺井義守元海軍中…

「連合国」が<国際連合>とは!

今朝の産経新聞(13面)の『20世紀の今日』欄に「国連憲章調印(1945・6・26)」という写真が出ていた。いつも貴重な写真が出るのでこの欄には関心があるのだが、昨日は朝鮮戦争が取り上げられていた。 ところで、この欄の担当記者も気づいてはいな…

相次ぐ自衛隊の不祥事

今朝の産経新聞は「主張」で「自衛隊よ『しっかりしろ』」と叱咤した。海上自衛隊の情報管理のずさんさに加えて、こともあろうに陸自の高級幹部である1佐が「警視庁に収賄容疑で逮捕された」ことに猛省を促したのである。 先日来の「コムスン」問題でも防大…

文科省よ、お前もか!

昨夜の「チャンネル桜」の収録は有益だった。収録以外の「休憩時の会話」が有益だったのである。特に米海軍顧問の北村氏の米軍の実情が貴重だった。「自分で自分の国を守る意思がない同盟国」など、外国兵が血を流してまで守ろうとは思うまい。日本でもいた…

やはり危険は迫っている!

昨日午後は、史料調査会の恒例研究会で水交会に出かけた。講師は前コンゴ大使の高倍宣義氏で、演題は「中部アフリカの紛争と国際協力」であった。アフリカは遠い存在で、なかなか実情を知る機会に恵まれないのだが、約2時間もの講義で概要を理解することが…

JC製作DVDを共産党が批判?

中国の空母保有については熱心なコメントが寄せられ、関心の高さが伺われる。たまたま昨夜、ディスカバリーチャンネルで「驚異の軍事兵器」という番組を見たが、改めて米軍の“実力”を思い知らされた。 SLBM潜水艦などはまだまだ機密が多かろうに堂々と“…

中国“空母”と米国の思惑

tazaemon氏のコメントにもあったが、19日の産経新聞「ハロランの眼」欄に、「中国の悲願、空母獲得」として、訪中した米太平洋軍司令官・キーティング大将の発言をハロラン氏が分析している。 一読した限りでは、ハロラン氏は、中国の空母保有論の裏には「…

「2008年の国難」黄文雄著

我が国内外を取り巻く情勢について我が国のメディアは、6カ国協議の成果?に期待したり、総連施設の売却問題、公安調査庁問題で持ちきりである。確かに我が国の「対工作機関」の長ともあろう者の裏切り行為は、今後メスが入れられ解明されなければならない…

コメントを読んで

先日都心へ向かう電車の中に、「シルバーシート」に座って携帯を操作している若者と中年サラリーマンがいた。私はその前の席に座って読書していたのだが、突然「携帯切って!切って!ハイ!切りなさい!」という女性の声がしたので顔を上げると、初老のご婦…

労働組合が国を滅ぼす

今朝の産経「主張」欄は、スタートした年金記録問題検証委員会に「労使癒着の徹底追及を」要求した。 「年金問題の根底には、労使の異常な癒着があるといわれる。その癒着の象徴が『自治労国費評議会(現・全国社会保険労働組合)』と社保庁が結んでいたいく…

米露間のMD摩擦に思う

昨日書いた「裁判員制度」に関して、司法の現状に鑑み民間の力を・・と言う意見があったが、私も裁判の現状から当初はそれもやむなし、と考えていた。しかし今回の講義で、裁判員を「命じられる民間人」の都合を無視している制度に疑問を持つに至ったのである…

平成のゾルゲ事件か

昨日夜は都心での仲間内の勉強会に出かけた。「裁判員制度を憂慮する」と題する元東京高裁判事の話を聞いたのだが、裁判に疎い私でさえも、この法律の意図するところが良く分かり、悪法とも言うべき「人権法案」や「皇室典範」問題などと同種の恐るべきワナ…

朝鮮戦争裏話

昨日午後、93歳の門脇氏にお会いして、4時間も体験談をうかがってきた。前回もただただ感心したのだが、とても93歳の“ご老人”には見えないことだ。目の輝き、他人の意見に耳を傾ける姿勢などなど、教えられることが多い。68歳の私なんて、氏にとって…

闇との戦いが始まった。

突然「中台危機」に関する原稿依頼が来て今日が締め切り、というのでやっと送稿したが、ブログに目を通す余裕がなかった。開けてみると熱心なコメントが多くいつも考えさせられる。私にも「悲観的!」とご忠告いただいたが、そうならざるを得ない事例が多す…

新憲法と軍学校の責任

有意義で貴重なコメントが寄せられ考えさせられた。今話題のグッドウィル会長が、少年工科学校の出身者とは知らなかった。そうなると、彼は8年間も「国費」で育成されていたことになる。しかも2005年7月に「個人の寄付行為」を認められ、政府から紺綬…

不名誉な任官拒否者

7日夜は、NPO・岡崎研究所のフォーラムが開かれ多数の出席者で賑わった。李登輝前台湾総統が来日され、靖国神社参拝のあと講演会が計画されていたから、「股裂き状態?」になった方々が多かったが、双方共に盛会だったのは喜ばしかった。恒例になった岡…

逃げない安倍総理に拍手!

政治評論家達によると、参院選を控えて年金問題>が焦点となることは、自民党にきわめて不利だという。だから、自民党としては年金問題>を後回しにして参院選を戦う必要がある、と解説していたが、私には「?」に思えた。むしろ「参院選目当てでこの問題を回…

見てみぬふり・第2話

つまらぬ体験談を書いたところ、読者の方々から、貴重な体験談が寄せられた。どれもこれも、考えさせられるご意見で、このままでは確かに「侍の国・日本」が“消滅”しかねないと悲しくなる。そして「月虹」氏のコメントで思い出したのが、車掌に通報しても全く…

「見てみぬふり」体験談

昨夜は毎月月初めの月曜日、恒例の夜11時からの「防衛漫談」・・・「スカパー:ハッピー241チャンネル(チャンネル桜)=今日の自衛隊」の収録に出かけた。 行きがけの「シルバーシート」の隣には、中国人留学生の若い二人が座ったので、声高な会話に読書も…

「有事の備えは万全なのか」

今朝の産経は「主張」欄に表記のような論を書いた。青森県深浦漁港に“たどり着いた”北朝鮮からの脱出者家族を取り上げたものである。彼らの「身元や動機、脱出経路の特定などは重要」だというのは当然だが、「同時に、水際の監視体制に問題はなかったのかど…

教えざるの罪

昨日の6月1日で転居一周年を迎えた。昨年は色々あって大変だったが、漸く新天地に根付くことが出来た。一時、体調を崩して体重が5Kg減り、血圧が異常に低下したことがあったが、本来の健康体を取り戻しつつある。若いときにパイロットを目指して特訓した…

「俺は、君のためにこそ死にに行く」を見て

石原東京都知事が製作に携わった映画「俺は、君のためにこそ死にに行く」を見た。平日とあってご老人夫婦などが約30人という閑散とした情況だったが、今まで日本で製作された中ではなかなか見られない“率直な”映画だった。それはごく自然に「靖国で会おう…