軍事評論家=佐藤守のブログ日記

軍事を語らずして日本を語る勿れ

2005-01-01から1年間の記事一覧

中共空軍創設秘話 その4

1、 中共空軍の人材巣立つ 1949年10月1日、蒋介石の国民党との内戦に中国共産党の毛沢東が勝利して、中華人民共和国が成立した。この日、北京の天安門広場で毛沢東は閲兵式を行ったが、国民党に反対して八路軍に参加した劉善本師長は、隊長機に乗って飛行編…

中共空軍創設秘話 その3

1、中共空軍創設のための協力を受諾 中国共産党東北局書記・彭真から、空軍創設を要求された林少佐は、少し考えてから次のように回答する。 「第一に我々を捕虜として扱わないこと。操縦士を育成するのは極めて特殊で些細なことが命の危険に繋がるから、厳…

中共空軍創設秘話 その2

1、 八路軍(人民解放軍)に投降 卑怯にも日ソ不可侵条約を破ってソ連が突如参戦したことと、日本がポツダム宣言を受諾し降伏したため、関東軍の指揮命令系統は崩壊した。 航空部隊であった林少佐の第4練成飛行隊は、地上戦闘用の武器類は貧弱であった。小銃…

中共空軍創設秘話 その1

反響が大きかったので、林飛行中隊の秘話を書いておこう。参考文献は散逸していて、纏まったものが少ない。そこで私の後輩で、新治毅元防大教授が航空自衛隊の部内誌に発表した文献を抜粋引用しつつご紹介することにしたい。 新治教授は、1997年5月に防衛研…

ニュース所感など

1、航空観閲式見学 10月30日日曜日、百里基地で「航空観閲式」が挙行された。天気予報は雨だったが、曇天の一日、時々日が射す天気となり、主催者は喜んだ。勿論小泉首相が観閲官、上空を観閲飛行する各種航空機を見上げ、飛行展示には時々拍手していた。ブ…

ワレ、B−5(轟炸5型)を撃退す!

米空軍パイロットとの『友情物語』を書いたところ、予想外に好評であった。こんな内輪話は、めったに聞けない、との事で御要望も多かったから、そこで今回は、中国空軍パイロットとの交流体験談を書いておこう。 平成13年12月、上海での会議を終えた我々は、…

日米“空軍友情物語”

平成8(1996)年2月8日の夕方、当時松島基地司令であった私のところに三沢基地司令時代のK通訳官から「訓練中のF-16・9機が、天候急変で三沢に着陸出来なくなり、松島基地に緊急着陸させてほしい、と米軍が言って来たがどうでしょうか?」と直接電話が入っ…

ネルソン提督と東郷元帥…朗読会

今日は九段会館で「朗読会」に参加した。チャンネル桜のキャスターでおなじみの桜林美佐君の朗読会である。タイトルは「ネルソン提督」。一般的な内容に留まらず、ネルソン提督の人間関係やその後のエピソードが実に旨く取り込まれていて、目からうろこの部…

今日のニュースから

今朝の産経新聞には、多くの興味ある問題が掲載されているが午後から研究会に参加するため時間がない。とにかく思いつくままコメントを書きとどめておきたい。 1、「遺棄兵器30〜40万発」 言うまでもなく旧日本軍が中国に遺棄したとされる化学兵器の総量の…

靖国参拝問題は小泉首相の勝ち!

残念ながら今日は急遽告別式に出る事態になったので、つい朝日新聞を買いそびれた。テレビでは相変わらずNHKが長時間割いてフォローしているが、少しづつ軌道修正しているように見える。前回「武士の情け」など、多くのコメントを頂いたが、なるほど!と…

小泉首相の靖国参拝所感

秋季例大祭の初日である今日、小泉首相が参拝したのでマスコミは大騒ぎの感がある。「実況放送」を見たが、霧雨の中、首相は拝殿前に歩み寄って黙祷した。どうせならば8月15日に堂々と参拝して、「アジア諸国」にボールを投げてやれば良かったのに…と思っ…

平和と安定がもたらしたもの?

今週もまた雨、今朝の新聞は濡れていなかったが記事には見るべきものがない。強いてあげれば「在日米軍再編問題」について、小泉首相が「日本があらゆる政策を推進する上で平和と安定が大前提だ。重要性を認識し、改革を進めなければならない」と、神奈川参…

マッカーサーか、それとも金日成か?

朝鮮半島、とりわけ北朝鮮問題について非常に関心が高いことは、私のブログの「コメント」欄を見るだけでも納得できるが、昨日の「虎ノ門道場」での「不安定化する朝鮮半島と日本の対応」と題するシンポジウムも盛会であった。これは東京財団の研究プロジェ…

普天間基地移設問題解決を急げ

今日は新聞の休刊日、そこで昨日濡れて読めなかった「古新聞」に目を通したのだが、普天間基地移設問題で「政府が修正に着手した」という記事が目に留った。何度も書いた問題だが、今日は少々長くなるが、過去の参考事項を挙げておきたい。 記事によると政府…

小泉首相は「制裁効果」を自覚せよ

今日は雨、新聞がびしょぬれで読めない。いくら言っても配達員は濡れない様に配慮してくれないから嫌になる。郵便受けからはみ出すと全面びっしょり、仕方なく広げて乾かしているのだが、読めるのは午後になるだろう。配達後に雨が降り出したのなら我慢でき…

漁船転覆、イスラエルの対応に「民度」の高さを見る

「民度」とは、「人民の生活や文化の程度」だと解説されている。根室沖でサンマ漁船が当て逃げされ7人が死亡したが、事故の相手はイスラエル船籍の大型コンテナ船であった。 イスラエルの海運会社「ZIM」社社長・ドロン・ゴター氏ほかが来日して、漁協や遺族…

防衛が必要なのは「阪神電鉄」だけか?

今朝の産経新聞の一面トップに「阪神電鉄防衛に着手」と大きな見出しが躍っている。いうまでもなく、村上ファンドが阪神電鉄株の38・13%を取得したことに対抗して、阪神電鉄側が買収防衛策に乗り出したことを報じているのである。テレビもこの問題で持ちき…

若き研究者に「拍手!」

今日は研究会参加所感を短く書きたい。 虎ノ門道場という、東京財団主催の研究会に参加しているのだが、今日は我が目を疑いたくなるほど感激した。報告者は稲垣大紀氏という、25歳の東洋英和女学院大学大学院修了生であった。 司会者の吹浦氏が「女学院大…

コメントから、将来の「日米関係」を考える

昨日は、我が平河総研の第三回講演会が学士会館で開かれ、拓大客員教授・黄文雄氏の「日中の現在と未来」と題する話を聞いた。黄教授は台湾の高雄出身で、1964年に来日し、早稲田大学、明治大学を出られた日本通である。2時間10分に亘って熱弁を振るわれた…

着々進む「日本解放工作」

貴重なコメントを多くの方々から頂き恐縮している。既に60万件のカウントを超えたから、私の駄文を1日あたり5〜6000人の方々がご覧になっているという計算になる。 多くの方々が、日本の現状を憂えておられる様子が伝わってくるが、肝心の我が「選良…

暗礁に乗り上げた普天間基地問題

とうとう恐れていた事態になった。今朝の産経新聞トップに、在日米軍再編問題が「決裂」し、仕切り直しになったという記事が出た。「日米外務・防衛当局の審議官級協議が決裂、再編協議は事実上仕切り直しになった」というのである。原因は「普天間基地移設…

米軍再編問題と沖縄基地問題

国会での論戦が始まったが、今日の産経新聞の「社会面」は、戦後日本のモラル崩壊を示して余りあった。30面には、比較的軽易な記事が掲載されるものだが、今日は「北九州7人連続殺人事件」の「死刑判決」記事が大きく紙面を占めた。しかし、「厚生労働省の不…

どうした自衛隊!!

26日の朝刊には“いやな事件”が2件も報道された。 産経新聞によると、海上自衛隊横須賀基地所属の22歳の海士長が大麻取締法違反で逮捕されたという。「(神奈川)県警はこれまでに同容疑で同基地所属の自衛官5人を逮捕していた」というからこれで6人になっ…

中露合同演習を分析する

先月行われた「中露軍事演習」は“無事?”終了したようだが、近代化に後れを取った中国海空軍の強化、並びに近代化推進に主眼が置かれていたことは明白だった。 演習は8月18日からウラジオストックで「戦略協議」、つまり図上演習などが双方の高官などの顔見せ…

在外公館に「情報官」

今朝の産経新聞に上記の記事が出た。外務省は「対外情報収集能力の強化を目的として、在外公館で情報収集活動に専従する≪情報担当官≫を来年度に新設する方針を固めた。5年間で100人配置する方針」だという。些か遅きに失した感があるが、今からでも遅く…

東奔西走!

18日に千葉県印西市まで出かけ、海自先輩と司会者の3人で≪我国を取り巻く安全保障環境≫に関するシンポジウムに参加してきた。都心から電車を乗り継いで1時間半、利根川河畔の田舎町だったが、市民会館には140名もの聴衆が集まり、終始熱心に聞いてく…

政界再編の予感

民主党の代表が僅差で前原氏に決まったが、世代交代とは名ばかりで、実は分裂の危機を示したに過ぎないように思う。今朝の産経新聞は、民主党の勢力図を掲げたが、菅グループ・20、鳩山グループ・45、小沢グループ・30、横路グループ・20、羽田グル…

強力小泉内閣の内・外政「仕事始メ」に期待する!

今朝の産経新聞に「憲法改正へ常任委」と題して、「自民、公明、民主党が、衆院憲法調査会(中山太郎会長)について、憲法改正手続きに必要な国民投票法案などを審議する常任委員会へ格上げする事で基本合意した」と報じた。小泉首相も「(国民投票法案を)…

本腰入れて『世直し』を!

選挙結果は小泉・自民党の圧勝であった。評論家もメディアも戸惑い気味だが、国民は冷静によく物事を見ているなあとつくづく思う。私は以前、このブログで「投票率向上」を呼びかけてきたが、今回は70%に達するのではないか?と密かに期待していた。結果は67…

静けさが戻った日曜の朝に思う

投票を終えて思うこと 9・11、「運命の日?」がやってきた。投票所はいつに無く「賑わって」いたから、投票率は確実に向上するのだろうが、台風などの被災地の影響が気にかかる。ただただ日本国の将来にとって、望ましい選択がなされる事を祈るだけである…